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2017/09/07

適材適所

名前が腰痛館ってつけたものだから腰痛についての問い合わせがけっこうあります
とりわけ深刻なのは椎間板ヘルニアで手術するかどうかで悩んでらっしゃるケース
手術と聞いただけで怖くなるのは誰でも同じことですよね

今までヘルニアと言われて来られた人はかなりの数になります
割合高い確率で上手くいってると自分では思ってますが
私自身はヘルニアを治したことは一度もないという認識です
私が知る限りヘルニアそのものを治せる手技はないだろうと思っているからです

どうも話に矛盾があるように思われるでしょうが
ヘルニアと病院で診断を受けられた方が
何度か施術を受けて快方に向かわれるのは
ヘルニアそのものにアプローチしたわけではなく
それ以外の組織の状態に変化を及ぼしたから
痛みが取れたり軽減したのです

もちろん本人さんからしたらヘルニアが治ったという認識でしょうが
それは単に勘違いです

20年ほど前に世界で腰痛の権威のお医者様が集まって
腰痛学会なるものが開催されましたが
その結論は腰痛と痛みとの関係性において
ヘルニアになったからと言って必ずしも痛みが出るとは限らないということ

つまりは痛いから病院に行って画像所見でヘルニアが見つかったとしても
それが痛みの原因かどうかはわからないということがわかったということです
へんなものの言いようですが
結果的にわからないということがわかったというわけです

それまではヘルニアが見つかればそれが痛みの原因だと結び付けられることが多かったのですが
今では絶対にこのヘルニアが痛みの原因だと確信が持てない場合は手術することがなくなりました
要するにヘルニアとひと言でいってもいろんなケースがあるということ
重篤な場合はヘルニアの手術をしない限り治らないでしょうが
疑わしい場合は保存療法を勧められるケースも増えてきたように感じています

そこで我々のような手技療法でヘルニアと診断された方に施術して
上手くいったら「ヘルニアを治した」となるわけです
治ればいいわけですが厳密にいえばヘルニアが原因ではないからこそ
手技療法で治ったわけで鬼の首を取ったみたいに
ヘルニアを治したと吹聴するのには違和感を感じます

軽微なヘルニアだったら2か月くらいで自然治癒する場合もあります
これは手技療法で治ったのではなく
時間が解決してくれたわけで治療家が自分の手柄にするべきものではありません

だからヘルニアにもいろんな場合があることを知っておくべきだと思います
病院で手術を勧められたのに恐いからといって整体に来られる方もいます
画像所見で確信をもって手術を勧められた方はやんわり手術をお勧めして
施術をお断わるすることもあります
下手に触ると逆にご迷惑をおかけする可能性があるからです

一番大事なことはヘルニアという言葉だけが独り歩きして
妄想を膨らませてやってはいけないことをするより
どういうアプローチが一番適切なのかを調べることです

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