腰痛と呼吸
もうずいぶん以前のお話ですが
あるアナウンサーの方が腰痛で来られました
お話しをうかがっていて驚いたのは
アナウンサーという職業にもかかわらず
声が小さくて聞き取りにくいほどでした
別にアナウンサーでなくても
腰痛の人は声が小さくなるのがフツウなんです
例外もありますが腰痛の判断の時声の質もチェックポイントのひとつ
近年、腰痛に対し様々な角度からの考察があります
そのうちの一つに腹圧の問題を重要視する考えがあって
お腹の空気圧が上がらないと体幹が不安定になり
腰に負担がかかるというものです
自転車や車のタイヤがベコベコだと
車体が不安定になり乗りにくくなります
それに対しタイヤの空気圧が高ければ
車体は安定し乗りやすくなります
それと同じ発想なんですが
背骨は身体を支えていますが
上半身のすべてを背骨に預けてしまうのは実に酷な話
それよりもお腹とい大きなボールの中に
空気がパンパンに詰まっていて
その上に体重が乗るとイメージしていただくとわかりやすいのですが
明らかに背骨が支える重量が軽減します
背骨も大変なんですよ
一本の棒であればさほど問題はなくても
バラバラの椎骨が前にも後ろにも横にも動くわけです
動かないといけないのに体重も全部支えろ
そんな過酷な状態だと背骨や周辺筋肉はオーバーヒートするに決まってます
それが腰痛というわけです
だから背骨や周辺筋肉の負担を軽くするために
お腹の中の空気圧を上げる必要があるのです
それでお腹の空気圧を高める筋肉の多くは
呼吸筋として腹式呼吸をするときに使う筋肉だったりします
だから腰痛の人は腹式呼吸をする筋肉に何らかの問題があり
声が出にくくなるのは当然のこと
私自身ぎっくり腰になったとき喋ることどころか
最後は呼吸が痛くてしづらくなった経験もあります
最近は「体幹運動」といっていくつかのエクササイズが推奨されていますが
あれらはほとんどそういった筋肉を鍛えるためのもの
スポーツ選手ならほとんどの人がやってらっしゃるんじゃないでしょうか?
体幹を鍛えるということは腹圧を上げ
背骨から荷重を減らし動くことを容易にするということ
スポーツ選手が声を出すのにはそういう意味合いもあるんです
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