人を診る
日本人の平均寿命が延びたのも現代医学のおかげだと思っています
「人生僅か五十年」と織田信長が言ってから400年以上の時が流れましたが
今では人生80年ていうんですからすごいものです
数十年後には日本人の平均寿命は100歳を超えるという試算まであるくらいですから
どこまで行くのか楽しみでもあり
また苦しみなのかもしれません
一方で現代医学の問題点も多く指摘されてはいますが
現代医学そのものを全否定するわけにはいかなくなっているのが現状です
数百年前だったら私も墓の下で眠っていたかもしれません
ただ現代医学も代替医療もそれぞれ
問題点や解明されていないことはたくさんあるわけですから
改善の必要もあるでしょうし
解明されるであろうとこも多いだろうと予測します
あるときから気になりだしたのは
現代医学とそれ以前の医学との違いってどこにあるかなんですが
現代医学が病気と向き合ったことでしょう
病原菌やウィルスの存在や姿を暴きだしたところから
現代医学の進撃が始まったといっても過言ではありません
その話はあちらこちらでされているでしょうから
ここで無い知識を振り絞ってご説明はいたしません
むしろ私が興味を持っているのは古い医学の特徴
紀元前からある医学でもけっこう馬鹿にはできないものもあるようですが
一つの特徴として「人を診る」ところにあると思います
紀元前の古代ギリシア・ローマ医学でも
四体液説というのが唱えられ
19世紀ごろまで支持されててきたというから
相当歴史のある医学だったと言えます
血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の4つの体液のバランスで
病気が発生するというような考え方です
実は四体液説の素になったのがインドのアーユルベーダといわれていますが
トリ・ドーシャ説という考えがあり
「ピッタ(胆汁、胆汁素)、カパ(粘液、粘液素)、ヴァータ(風、体風素)」
3つの体液のバランスにより病気になるといわれました
要するに人と切り離して病気をいうものを探り出すというのではなく
人の属性として病を考えていたということなります
漢方でも似たような発想が考え方の基礎となりますし
日本でも明治時代に野口晴哉先生が十二体癖というのをまとめ上げられ
人を診るところからのアプローチをされていました
むかしは人を診て病気を治していたというわけです
目ざましい発展を遂げた現代医学は
そのスピードについていくのに躍起になって
ついつい人を診るという作業が疎かになってきたというか
そんなにメンドクサイことをしなくてもよくなったという環境もあったんじゃないでしょうかね
それでもそうことに気づいた方もおられ
EBMとNBMを同じテーブルに上げることの必要性も説かれています
ナラティブ・ベイスト・メディスン(物語に基づいた医療)
一人一人の患者の物語を生かし
治癒までの物語を構築しようとする発想ですが
少し人を診るということの大切さが思い出されつつあるように感じていますし
実際にそれをなさっておられる医師もいらっしゃいます
医師であるかどうかにかかわらず
今、私の見えているところにはそういった取り組みをしている方がおられます
簡単な取り組みではありませんが
試行錯誤しながら様々なアプローチをされています
面白くなってきました
| 固定リンク
コメント
こんにちわ!
人を診るというタイトルに引っ張られ?来ました。
4つの体液のバランスで病気が発生、素人の私には、
難しくてあまり理解はできないのですが、母が腰痛。
13日あまりの痛さに自分で救急車を呼び、病院へ。
レントゲンでは異状なく、後日MRIにも何も出ず
週末に萩へ帰省してみると、部屋で腰をかがめながら
テーブルの端を持ち、その後杖に持ちかえトイレへ。
余計に腰に負担がかかりそうと、押し車をだして使い
少し楽になった様ですが、腰の痛みが続いてます。
整形外科とデイサービスに週2回ずつ。
元々、左膝に痛みがあり、神経痛と診断されてます。
親が高齢になり、弱っていく姿を見ると考えさせられます。
長文になり、すみません。
投稿: うさうさ | 2017/05/22 11:53
たいへんですね
私の父親も年末に歩けなくなって
週に一度くらい施術して
毎日リハビリで歩いてもらっています
高齢者の腰痛は自分の体重を支えるための筋力が低下することでおきます
だから地道に筋力を戻していかないと
いくら治療してもあまり効果がないんですよ
ウチの父親の場合
12月から2月までは一日5分
3月からは10分
そして最近は15分くらいにだんだん様子を見ながら時間を伸ばしていきました
2年計画でなんとか元通りになってもらわないと困りますからね
投稿: ひろ | 2017/05/22 12:56