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2017/04/17

生体の調節機能

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生体の調節機能 高木健太郎

皮膚というのはとても興味深い組織で
内臓に対して「外臓」なんて呼ばれる方もおられるほど
単なる身体のパッケージという機能以外にも不思議な面を持ちます
今まで皮膚に関しては何冊かの本を読んできましたが
身体の内側の状態が皮膚表面に現れるという側面もあります
それならば「逆もまた真なり」ということで
皮膚に対する刺激をもって身体の内側にアプローチをすることも可能なわけです

本書では鍼や指圧を念頭に書かれたものですが
キネシオテープなんかも皮膚に対するアプローチで
身体の内側に影響を与えるといった点で共通するものがあります

ただ問題はどこの皮膚にどういった刺激を与えると
どういう効果があるのかがあまり明らかにされていないというところ
本書はそういった疑問に様々な角度から検証していったことをまとめたものです

体の右側をの皮膚を押すと左半身の発汗が促進されるという発見からスタートして
様々な実験で数多くの興味深い結果を述べられています
よくもまあこんな仮説を考えついたなと感心しました

正直言ってここに書かれた結果について
頭から全部使用はできないというのが率直な感想です
筆者は他人が自分の意見を聞くときは先入観抜きになることを要求されておられますが
自説を述べられるときは少々強引にご自身の仮説が正しいという方向にもっていかれます
そういう傾向を少なからず感じました

例えば皮膚を圧迫するということは皮膚だけではなく
筋肉などの内側にも刺激が行くことがフツウに考えられますが
筆者はそれを論じることなく
すべて皮膚に対する刺激としておられます

だから間違っているというつもりはありませんが
ここに書かれたことは留保つきで覚えているにとどめた方がいいかもしれません
それにしても面白い研究です

私が小学6年生のときに出た本ですが
引き続きこういう研究をされている方はいらっしゃるんでしょうかね?

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