自閉症スペクトラムとは何か
今まで自閉症に関する本を数冊読みましたが
それらは自閉症の当事者であったり
現場で深くかかわってらっしゃる方のものであったり
いわば自閉症の内側に切り込んだ内容の本でした
ところが自閉症について皆目知識がない私にとって
輪郭が分からない段階で入り込んでしまったような感じでした
今回はいったん外に出て外郭部分を見る必要があると考え
本書を手に取りました
自閉症スペクトラムの基礎研究をなさっておられる著者が
世界中で自閉症スペクトラムについてどのような取り組みがなされているかもまとめたものです
過去から最近までの考え方の変化や
様々な研究が紹介されています
多様性がありすぎるほどの自閉症スペクトラムを
わかりやすくまとめて解説することの難しさを感じました
客観的な視点で説明されているので
私でもなるほどと思うことが多かったのですが
随所に「わからない」部分がまだまだあり
定義そのものも変わることがあるかもしれないわけで
まだまだ具体的にどうしたらいいという内容ではありません
むしろ自閉症スペクトラムそのものを理解しようという
取り組みが多いように感じられました
要するに私もなんだかわかってないけど
研究者でもまだまだはっきりわかっていないことがわかりました
ともあれ輪郭だけでもなんとなくわかってきたことに
この本を読んだ意義があったというものです
おかげで私の頭の中でバラバラだったものにつながりが出てきた感じがします
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