曲がる腰にもワケがある
曲がる腰にもワケがある―整形外科医が教える、首・腰・肩のなるほど話 井尻 慎一郎
患者側になれば聞きたいことが山ほどあります
そんな豆知識に答えたのが本書です
以前に「痛いところからわかる 骨・関節・神経の逆引診断辞典」を読みましたが
とてもわかりやすく普段の仕事でもけっこう役に立つ本でした
なにより著者の井尻慎一郎先生の解説が
とてもわかりやすく要点を絞った内容に感銘を受けました
たまたまこの本を見つけ同じ著者のものだと知り購入
読んでみて思ったのはこの先生の文章の優しさと誠実さ
書いてあること自体あちらこちらで聞いたことのあるものが多かったんですが
その解説がベテランの整形外科医ならではのきめの細かい解説
私が中途半端な知識で説明するのとわけが違います
きちんとしたデータも添えて
患者側に立つだけではなくポジティブになれるような考え方を示してくれます
例えば年を取って歩くのが困難になったとき
杖を使いますがその必要性くらい誰だってわかります
しかし体重の五分の一から四分の一くらいを
杖が負担してくれるという解説は実に具体的
それだけではなく街中を歩いているとき
他の歩行者が杖をついている人を見れば
気を付けてくれて魔除けみたいな役割も果たすといわれています
ここまで親切に説明してくださる医師が神戸におられること自体嬉しくなります
ただでさえ身体に不具合がある患者に
言葉の使いよう一つでネガティブになったりポジティブになったりすることがよくわかります
それだけ筆者が心を込めて治療にあたっておられる証拠なんでしょう
本を読んでいて難しい言い回しはまったくありません
いつも接する一般の患者に対する付き合い方が文章ににじみ出ています
人徳を感じる文章はそう多くは出会えません
私のような生半可な知識の人間には
すごく勉強になる一冊でした
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