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2016/10/07

心を鍛える言葉

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心を鍛える言葉 白石豊

最近は「頑張れ」という言葉に対し風当たりの強さを感じています
他人を励ますときに用いる最も便利な言葉なんですが
「頑張っている人にさらに『頑張れ』と言われてもどうしたらいいのかわからない」とかいう理由で批判を浴びているようです

私自身いい結果が出ているときに「頑張ってるな」と言われ
逆に結果が出ないときに「頑張れ」と励まされ
違和感を覚えたことが何度もあります
調子のいい時は頑張らなくても結果が出るし
むしろ調子の悪いときこそ必死で頑張っているのに
追い打ちをかけられるように「頑張れ」といわれ
「ああこの人は自分のことを見てくれてないんだ」と拗ねた記憶があります

結局「頑張れ」という励ましは
とりあえず「励ましているんだから理解してくれ」みたいな
言う側に体裁のいい言葉なのかもしれません

まあ、私自身ほかに言葉もないもんだから
「頑張れ」って言ってしまうわけですから
批判をする立場ではありません

しかし効果につながる言葉があればそちらを選択したい気持ちはあります
本書は対話によるメンタルトレーニングのメソッドが紹介されたもの

とても合理的な内容なんですが
最も特徴的なのは東洋思想に基づいた方法論ですから
日本人である我々には素直に受け入れやすいものばかり

思想の中心となるのは禅なんですが
広く仏教思想にその論拠を求めたり
ヨガの身体の使い方が紹介されてあったりで
私としては今までこういう系統の本を読んだ中で
最も納得できる一冊です

さらに内容が「意欲を引き出す」「自信をつける」「集中力を高める」「感情をコントロールする」など
重要事項がきちんと整理されているうえ
書かれている方法論が実践しやすく
本質をついているものばかりなので
その気になれば取り入れやすいといえるでしょう

この類の本には「この続きは通ってください」みたいな
宣伝本もありましたがそんなケチな話はありません

ただし身体同様、心を「鍛える」のですから
それなりの覚悟と信頼と時間が必要
本を一冊読んだだけで心が鍛えられるわけもありません

あくまでも鍛錬の道しるべとしてお読みいただきたい

良書です

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