日本人の身体能力を高める「和の所作」
安田登さんの世界観が大好きです
西洋医学的な解剖生理学的な知識もお持ちである上に
古来からの日本的な価値観が見事に融合された「身体感」
一見対立しそうな概念を理路整然と説かれた内容にいつも心を奪われます
本書は能楽師である筆者が
独特の動きの秘密や機能を解説したものです
運動学的な解説ですから説得力があり
そういった動きを一般人の生活の中に持ち込めば
どういうメリットがあるかまで説明されています
誰でも簡単にできるメソッドも紹介されていますので
その場で試しながら読み進めることができました
片足を前後に軽く振るだけのエクササイズや
片手で持った新聞紙をパンチで破る「新聞パンチ」なんて空手の極意も会得できるかもしれません
今回も安田さんの身体に対する世界観に魅了されましたが
呼吸についてのくだりは感動しました
人間生まれてくるときは「産声」で息を吐き
死ぬときは「息を引き取る」といって息を吸って最期を迎えます
生きること、活動することに必要なのは
息を吸うことよりも上手く息を吐くことにあると書かれてあります
その上で腹式呼吸の具体的な説明がありますが
やはり安田さんも骨盤底筋を使った呼吸法を進められています
安田さんの本は今まで何冊か読みましたが
どの本も根っこの部分は同じなのですが
説明で使われるフレーズがとても新鮮で
目から鱗の言葉がいくつもあります
面白い本でした
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