胸郭出口症候群
(画像:日本整形外科学会様のサイトより拝借いたしました)
肩こりだと思っていたら手のしびれや痛みが出たり
通常の肩こりとは程度の違う不快感を感じるケースがあります
そんなときに疑うのは胸郭出口症候群
上の図にある通り前斜角筋と中斜角筋と第一肋骨に挟まれる形で神経が走行します
さらに小胸筋と上部肋骨の間を走行します
この神経は腕神経叢と呼ばれ腕から指先まで走る神経です
何らかの原因で斜角筋が拘縮を起こした場合
この腕神経叢を押さえる状態になり
第一肋骨とで挟んでしまい神経圧迫が起きます
あるいは小胸筋が拘縮した場合にも
肋骨との間で神経圧迫が生じます
この場合単なる肩こりの不快感では済まされず
腕から指先までの神経異常が起きます
胸郭出口症候群に関しては様々な治療法がなされますが
斜角筋や小胸筋が弛緩すれば問題は解決することになります
ところがこれらの筋肉にアプローチしてもなかなか良くならないのは
斜角筋や小胸筋の拘縮が一次的なものではなく
他の部位に問題がありそれにより影響を受けて
二次的な筋拘縮として症状が発生するからだと考えています
つまりは原因となる問題点にアプローチしなければ
いったん斜角筋や小胸筋の拘縮が多少緩和しても
数日後には再び症状を引き起こした状態に戻されることがあるのです
斜角筋の性格を考えてみましょう
斜角筋は呼吸補助筋として肋骨を引き上げる作用があります
激しい運動をしたあと「肩で息をする」ときの筋肉なんです
だから何らかの原因で肋骨の動きが阻害される場合
斜角筋はわずかに引っ張られ続けた状態に陥ります
だから肋骨の弾力性が減少したとき
斜角筋に負担がかかるわけです
実際に触ってみると胸郭出口症候群の方は上部肋骨が硬いケースが多いのです
だから肋骨周辺の問題点を探り出してみる必要があります
どうして肋骨の弾力性がなくなるかに関しては
かなり多くの問題が考えられますので割愛します
小胸筋は烏口突起から肋骨まで走行します
烏口突起という部位は肩甲骨の一部なんですが
この肩甲骨というのはしっかり固定された骨ではなく
いろいろな筋肉の張力によりその場所が決まります
四方八方から綱引きされた状態なんです
だからその綱引きのバランスが崩れたとき
小胸筋は緊張します
だから肩甲帯の筋肉全体と
肋骨の柔軟性と絡め合わせて考える必要があります
私が胸郭出口症候群にアプローチするときは
いつもこんなことを考えているのですが
これもいくつもあるだろうメソッドの一つというわけです
必ずしもこれが当てはまるとは限りませんが
比較的確率は高くなるだろうと思います
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