アドラー心理学入門
巷で『アドラー心理学』というのが流行しているようです
私が学生時代に履修した心理学とはちょっと毛色が変わっているような印象を受けました
ネットなんかで登場する分には心理学というよりも自己啓発の雰囲気がします
気になって選んだ本は「嫌われる勇気」ではなくこの本
値段が安くて読みやすそうだったのが理由です
アドラーはフロイトやユングと同じ時代の心理学者
読み進めていると心理学の枠組みがその時代のそれ
最近知ったのは現代の科学的な心理学において
フロイトやユングの研究はあまり評価されていないそうです
結局彼らの時代は頭の中での考察であり
科学的な研究データの存在がないことがネックになっているようです
やはりアドラーの説も裏付けとなるデータが数少ないエピソード程度にとどまるように感じたのですが
それもその時代ではフツウだったので致し方ないところだと思います
アドラー心理学は彼の教育論が起点になるようです
叱らない罰しないというその時代でいえばかなり少数派の意見であったと推察します
今の時代であればテレビによく出ている教育評論家の先生が似たようなことをおっしゃっていますが
アドラーが活躍した1900年初頭ではどんな扱いを受けるか想像できそうです
子供と対等な横の関係というのも
当時黙殺されて今頃になって脚光を浴びるにふさわしい発想だと思います
自己容認・他者を信頼する・他者に貢献する・他人のことを考えてあげる
これら登場するフレーズは私の持つ心理学の概念をはるかに超える
幸せな生き方をするための考え方でありふるまい方であるように感じました
こういった考え方を基礎にした「幸せになるための社会生活」の在り方は
現代人が渇望してたものかもしれません
自分の人生の意味は自分で決める・他人を気にしないなど
濁流にのまれた笹船のように
世間に翻弄され自分の価値観を持てない人
他者にとって都合のいい価値観を無理やり押し付けられている人には
目から鱗となる一冊かもしれません
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