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2016/05/27

腸と情動

腸が人間の気分を左右する仕組み

人間の腸内には10兆から100兆ほどの微生物が存在すると言われており、その数は人体の細胞の数37兆個と同等かそれ以上の数と考えられています。科学者は腸内フローラ(腸内細菌叢)がどのような種類の微生物により成り立っているのかを解き明かすために長年研究を続けてきたわけですが、研究から微生物が人間にどのような影響を与えているのかが少しずつ明らかになっています。

近年、人間の腸と腸内の微生物に関する研究が進むにつれて、腸内の微生物は脳とメンタルヘルスにとってとても重要な役割を担っていることが明らかになってきています。微生物研究の専門家であるテッド・ディナン氏は、2000年代初頭に微生物学者の間で話題になっていた「体に良い働きをする微生物(良い微生物)」に興味を抱いたそうです。その理由は、精神病学者として「腸内の良い微生物が人間のメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしているのか?」に興味を持ったから、とのこと。

この「良い微生物」というのが、人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)として知られる「プロバイオティクス」です。

そもそもどれくらい昔から腸と人間の精神状態のつながりが指摘されていたかというと、なんと1800年代初頭には既に2つの関係性が指摘されていました。胃液分泌を研究することで胃腸生理学の開拓者となった軍医のウィリアム・ボーモントは、人の感情が胃腸の状態と共に変化する、と自身のノートに示しています。また、1900年代初頭には結腸が精神病や微生物の通路になっており、うつ病や神経病に関係していると内科医や科学者は考察していたそうです。このように、古くから腸と人間の精神状態の関わりが指摘されてきたわけですが、最新の研究では消化器官と中枢神経系、つまりは腸と脳をつなぐための、複雑な2方向の通信回路が体に存在することが明らかになっています。

マクマスター大学のジェーン・フォスター博士がネズミの腸内微生物を操作したところ、ストレス状況やストレスに対する応答が脳の成長にどのように影響を及ぼしているのか、が明らかになりました。さらに、腸内フローラは前頭前皮質に存在するミエリン(神経のまわりにある「さや」を構成する材料)に関する遺伝子に影響しており、脳のうつ病や統合失調症などの精神疾患と関わる部分にまで影響を及ぼすことも判明しています。研究結果では、「腸内の微生物が精神疾患の状態に関係することができる潜在的なメカニズムが存在する」と示唆されました。

研究結果から、腸内の微生物が人間の精神状態に影響を及ぼすことが判明したわけですが、なぜ腸内の微生物が脳に影響を及ぼすことができるのでしょうか。この秘密は2つの要素により成り立っており、ひとつは腸内微生物がアセチルコリンやガンマアミノ酪酸(GABA)、トリプトファンといった神経伝達物質を分泌することができる、という点。そしてもうひとつが、腸には神経伝達物質に反応して信号を脳に送ることができるニューロンが何百万と存在するという点。この2つにより、腸から脳へと刺激が走り、抗うつ効果などがみられているわけです。実際、ディナン氏がヨーグルトに含まれるものにとても近いプロバイオティクスをネズミに与えたところ、ネズミは通常時よりも「不安」や「うつ」といった精神面でのマイナス状態をあまり感じなくなった模様。加えて、プロバイオティクスを与えたネズミは、うつ病や精神病に深く関わる神経伝達物質のGABAを多く分泌していたそうで、これがプロバイオティクスなどの持つ抗うつ効果のもとになっていると考えられています。

なお、2015年10月に公開された他の調査は、「非常に限定的ではあるものの、プロバイオティクスが人間の心理面に干渉していることを示す証拠が見つかった」と結論づけています。

ただし、腸内と微生物のメカニズムをより深く知ることは非常に難しいことのようです。カリフォルニア大学デービス校のジョナサン・エイサン教授は「腸の中のどの微生物が重要な働きをしているのかを理解することは、腸と脳のシステムを理解するのにとても重要なことです。しかし、腸内の微生物のサンプリングは非常に困難です」と語っています。もちろん判明していることもあり、例えば食事内容を変えると腸内の微生物にも変化が起きる、という事実は疑いようがありません。なお、エンサン教授は「議論の的となっているのは、腸内フローラを人体にとって有効に活用できるかどうかという点です」と語っています。

Facebook上で兄弟子がリンクしてたサイトです
以前より腸には興味を持っていました
腸と情動の関係性についていろんな本を読みましたが
従来だと腸とセロトニンの関係であるとか
腸と脳の神経については上行性のものが9割を占めるなど
解剖生理学的な部分の見解が多くを占めました

ここへきて腸内微生物との関係性が情動に影響するという研究が進んでいるそうです
もちろんあくまでも可能性の段階ですので
その他の事柄の関連性も明らかではありません

気の早いメーカーがヨーグルトの宣伝に使いそうな予感もしますが
利害関係者の話に振り回されることなく客観的に見守っていきたいと思います

ヨーグルトは毎朝食べているので納豆でも買ってくることにしましょ…

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