チャクラ
今から5年前に購入した本です。当時は納得できる部分もあったものの全体的に消化不良という印象が強かったのが正直なところ。何しろ『チャクラ』というテーマ自体がつかみどころのない(私にとって)ものだっただけに、ただただスピリチュアルというか神秘的なものと捉えて読めばいいのか、それとも医科学的な目で読めばいいのか、自分自身の立ち位置がはっきりしなかったのが原因だと思います。
『チャクラ』というものについて「身体と心を結ぶ架け橋、人間が人間以上の存在とかかわりを持つ接点」というような説明がありますがまずこの段階で私の理解をはるかに超えた存在なんですから挫けそうになるのも当然かもしれません。
ただ私が一番気になっているのは理解できないから神秘的なこととして理解する努力をやめてしまうのも違うような気がします。現代の医学や科学で説明できるテーマでないことは間違いなさそうですが、今の医学や科学が森羅万象を説明できるレベルでもないので片意地をはってそちらの立ち位置に固執するのも芸がなさそうです。
ここまではこの本を読むにあたっての覚悟を述べたまでですが、意外なほど具体的な説明がありチャクラと神経叢や交感神経との関連性にまで言及されていて研究なさっておられる方々は神秘的な不思議なこととして片付けるつもりはなさそうです。
この本を読んだもう一つの目的はクラニオセイクラル・バイオダイナミクスで用いられる概念と重なる部分が多いように思います。おそらく本書に説明される身体感をベースに理論構成されたのがバイオダイナミクスじゃないかと確信する次第です。
人間としての営みは物質的なものだけではないのは異論のないところでしょう。ところが物質的なものからしか探求できないのが現代人の誇る医科学の泣き所なのではないでしょうか?大昔の人の方がいろいろな縛りにとらわれることなく自由な発想で構築された概念だと思います。中医学で言われる「五臓六腑」だってそれぞれの内臓とはことなり、全体の機能も含めた概念です。これと同じくチャクラだって身体の中のどこを探してもそれは見つからないでしょうが、生きている人間の心と体の関わり合いの中で存在する概念と考えれば理解できるかもしれません。なかなか昔の人の知恵は奥行きが深いというのが印象です。
読むのが二回目でも難しい本です。
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