アトラスとアキシス
先日兄弟弟子のブログで興味深い記事が掲載されていました
かいつまんでいうと自然治癒力に頸椎の1番と2番が大きくかかわるという説があるのですが
私も以前その説に興味を持ち調べたことがありました
どんな症状であったとしても頸椎の1・2番を調節するという考え方です
いわく自然治癒力は脳幹が司り
そこに一番近い部分の1・2番の頸椎のズレが
その働きを阻害するというものです
非常に単純明快な理論ではあるのですが
疑り深い私はホンマにそれだけで自然治癒力が回復するのかいなとも考えました
それでも施術ではほとんどの方にそこに対するアプローチを必ずといっていいほどしているので
心の片隅にそうだったらいいなという期待感もあったりするわけです
まあ、確証はないけどとりあえずやっているというのが現状です
さて、そのブログを読んで少し懐かしくなったので
今日は頸椎1・2番のおさらいをしてみようと思います
頸椎の1番は「アトラス」とも呼ばれ
ギリシア神話に出てくる大地を支える神の名を与えられました
頭蓋・顔面を持ち上げる姿にアトラス神を見たのでしょう
後頭骨とアトラスの間には椎間板はなく
後頭顆と上関節面とが接触し関節を形成します
そして4つの靭帯で連結されます
球体に近い関節面なので首の伸展・屈曲の多くはここでなされます
つまり首を反らすことができない場合この関節の問題としてとらえます
そしてこちらが頸椎の2番
「アキシス」や「軸椎」とも呼ばれます
斎場で骨を拾うとき「のどぼとけ」と言われるのがこの骨です
本当はのどぼとけではなかったんですね
人が手を合わせ拝んでいるような形状からそのような言い伝えになったようです
アトラスとアキシスは歯突起と呼ばれる部分がアトラスの中を貫き
軸の役割をして頚を回転させるので「軸椎」といわれます
ただ回転の軸になるのは歯突起だけではなく
左右の関節面の一方を軸として回転する場合もあります
このように構造上複雑な形を利用して複数の動きを見せるこれらの関節
それゆえに駆動力となるべき筋肉の拘縮等で
伸展・屈曲それと回旋運動に対し制限が発生する場合は少なくありません
最初にお話しした説はカイロプラティックで言われるものですが
これらの関節の変位と自然治癒力との因果関係に疑問もあります
それでも現実問題として体調不良の方の多くは後頭底の部位に
それなりの筋拘縮が認められるケースはかなりあります
私にとってはこの点が信じるに足りる理由の一つということになります
たまにはこうやっておさらいをすると新しい発見も期待できそうです
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