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2015/05/12

勘違い

手技療法の多くはそれぞれの原理原則というものがあり
教科書通りに「これをすればこうなる」というパターンがあります
もちろん現場においては単純なものではありませんので
技術の精度や施術の組み立てによって大きく結果はかわります
それこそが「上手・下手」の分かれ目になるのですが
ある程度の能力を持つ術者ならば
そこそこ先が見えてくるものです

しかしながら人の身体はいつも原則どおりにいくわけもなく
例外的な結果もしばしばあります

例えば筋肉も弛緩し、関節可動域も広がっているのに
痛みだけが取れなくて困ったこともあります
たいていは数日後に痛みが引くので
そんなには心配してませんが
こちらの思惑通りに行かないことなんてしょっちゅうです

悪いことばかりとは限りません
ダメだろうと思っていても予想外にいい結果が出ることだってあります
こういうとき下地となるのはクライアント側の心理的な要因
思いこみの力ってすごいものです
いわゆるプラシーボってやつです
「プラシーボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。この改善は自覚症状に留まらず、客観的に測定可能な状態の改善として現われることもある」(Wikipedia)
こんな説明がありますが要するに「信じるものは救われる」ということの実例かもしれません

先日福島県の仮設住宅で大勢の方に施術させていただきましたが
わずか15分程度の施術なのに毎回結果がよすぎるんですよ
仮設住宅の集会所には施術待ちの人が順番に並んでおられるわけですが
施術を終えた人が「楽になった」といえば
待っている人も期待するじゃないですか…
中には挙がらなかった腕が痛みなく挙がったり
膝が痛い人がその場で正座できたりなんかすると
待っている人たちにもその雰囲気が伝わり
即席ゴッドハンドにたてまつられるわけです
そういう雰囲気が会場全体を覆うと何をやっても上手くいくのです

普段1時間以上やってなかなかいい結果がでないのに
わずか15分で改善するわけもないと思ってても
受ける人が治る気満々でうけてくださるわけですから
プラシーボ効果としてはこれ以上ない環境が整います

以前ある先生とボランティアに行って勘違いして帰ってくる人も少なくないという話をしたことがありますが
自信をつけて帰ってくるというより上手くなったと勘違いしても仕方がない環境かもしれません

それでも喜んでくださったならこちらとしてはありがたいわけで
プラシーボでも何でも結果オーライです
それにしても気持ち次第で身体にも影響を及ぼす力ってスゴイものです

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