大殿筋
(画像:図解 機能解剖学)
[大殿筋の起始・停止]
(起始)
後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、胸腰筋膜、仙結節靭帯らに付着。
(停止)
浅層は、大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯に移る
深層は、大腿骨の臀部粗面に付着
[大殿筋の主な働き]
股関節を伸展する 股関節を外旋する
…とまあ解剖生理学の本で大殿筋を調べると
たいていこんなふうに書かれているでしょう
お尻の膨らみは脂肪を除いてこの筋肉によってつくられますが
スポーツ選手なんかはこのお尻の大きさや形で
すぐに見分けがつくものです
ジャンプするときや立ち上がるとき
サッカーでボールを蹴るとき足を後ろに引くのにも使います
また蹴り足ではなく軸足の大殿筋は体幹を安定するために働きます
だからスポーツ選手は走ったりスクワットなんかで大殿筋を鍛えます
さて今月号の月刊トレーニングジャーナルの連載
「臨床スポーツ鍼灸研究会」に大殿筋のことで興味深いことがありましたのでご紹介します
上記のとおり大殿筋の作用は股関節の進展と外旋なんですが
大殿筋を中心を境として上部線維と下部線維に分け作用の違いを解説しています
上部線維は股関節の外転に作用し
下部線維は股関節の内転に作用するそうです
主な動きは伸展ではありますが大殿筋の線維の走行が斜めであることに着目なさっています
一般人の話として運動不足や老化現象で
お尻の肉が落ち垂れ下がるというような話もよくあります
私もやはり若いころに比べるとお尻の大きさが違います
いわば自然現象ともいえることなんですが
これが身体にどう影響するのかという問題が書かれていました
お尻の肉が落ちるて垂れ下がるというのは
大殿筋の下部線維が痩せて活動能力が低下します
すると足は内転する力が弱まるり
内側のハムストリングに負担がかかることにより
肉離れのリスクが高まるということです
こういう運動連鎖はスポーツ選手であろうが一般人であろうが起こりうることです
ここからは私の意見ですが
老化に伴い内転筋も弱るケースが多く
これらの現象が相まって股関節が外転しやすくなります
お年寄りがO脚になって内半月板を痛めるのも
初期段階ではこういう現象から始まるのかもしれません
運動連鎖は股関節から骨盤の後傾を生み
脊椎のS字カーブがなくなり腰椎にかかる圧迫が増せば
腰痛にもなってくると考えられます
実際にご高齢の方の身体はそんな状況ですからね
もちろん大殿筋だけを維持してすむ話ではありませんので
全体的に筋力を維持しなければ自分の身体を支える能力が低下します
そのうちの一つのバロメーターとして注目しておくことも大切です
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