変形性膝関節症と筋肉
加齢とともに膝関節の機能が低下し半月板や軟骨が変形したり潰れたりする変形性膝関節症
まさに変形する器質的な障害ですので
手技療法そのものでどうこうできるものでもありません
それでも保存療法を望みこれらる方が少なくないのも事実
程度いかんによっては絶対に手術の方がいいケースもありますので
できるだけ丁寧に説明して手術をお勧めすることもしばしば
ただ軽微な場合に痛みが軽減したり痛みが取れることもありますので
ためしに何回か施術して様子を見ることもあります
変形性膝関節症になるに至る原因として筋力低下・老化・肥満が挙げられますが
体重が重い人が必ずしもなるともかぎりませんので
あくまでも自分の体重が支えられない程度に筋力が低下したと考えた方が合理的でしょう
だからお年を召した人でも筋力に余裕がある人はなりにくいという理屈が成り立ちます
筋力が低下したり筋拘縮により膝関節の隙間を縮めてしまう筋肉とは
当然膝関節をまたぐ筋肉全般となりますが
その中でも私が注目しているのは半膜様筋と膝窩筋
膝が痛む人の足を触っていると高い頻度で筋拘縮を起こしています
オリジナルのカウンターストレインなどを使いこれらが弛緩すれば
多少は楽にることが多いのです
ちょっとマニアックのお話になりますが
ローレンス・ジョーンズのカウンターストレインに
前十字靭帯(ACL)を対象とした技法がありますが
筋紡錘に働きかけ反射弓の回路を切断するのが作用機序であるカウンターストレイン
それなのにACLに利かすということに長い間疑問に思ってましたが
ACLではなく半膜様筋や膝窩筋に利かせ
二次的にACLの緊張を取り除くのであれば納得できます
それが証拠にこの技法は下腿に軽い内旋・内転をかけますが
半膜様筋と膝窩筋の作用には内旋もあります
だからこれらの筋肉に利かしていると考えればつじつまが合ってくるように思うんです
話を基に戻しますと私の施術で首尾よく痛みが取れたとしても
実はあまり長持ちはしません
なぜならば痛みを発生させた原因が自分の身体を支える筋肉の力に
充分な余裕がなくなったのが一番の原因だとしたら
それに足りる筋力がつくまで原因はなくならないからです
だから本当に大事なのは痛みを取ることよりも
痛みが取れてからどれだけ努力するかにかかってくるわけです
あまり膝に負担をかけず筋力をつける運動として水中ウォーキングなんかを勧めていますが
いずれにしても長期的な視野で取り組む覚悟は必要です
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