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2015/01/09

抗重力

哺乳類の赤ちゃんは生まれてすぐに立ち上がり
自分の足で歩きます
我々人間はだいたい生後1年ほどでようやく歩けるようになります
馬や牛の赤ちゃんがエライというわけでもなく
それだけ長い時間お母さんのお腹の中で成長を待ちます
自然界において歩けないということは天敵に襲われることを意味します
だから歩かなければいけない必然性があるのです

テレビなんかで馬の赤ちゃんが立ち上がるシーンを見ていると
つい頑張れと入れ込んでみてしまいますが
我々人間の方が歩くまでにはずいぶん時間がかかるので
同情にしているのもおかしいような気もします

しかし私たちはものごころついたころから
当たり前に歩いてはいますが
よく考えれば重力に逆らって立っていることって
たいへんな労力がいります

逆立ちができたとしてどれくらいの時間頑張れるでしょう?
50kgも60kgもある身体を支えるってすごく大変なんです
だから普段我々が当たり前のように立ってはいますが
抗重力に使う労力はもっとも大きいエネルギーを要します

(前)前脛骨筋、大腿四頭筋、腹筋群、頚部屈筋群
(後)下腿三頭筋、ハムストリングス、大殿筋、脊柱起立筋群

前側と後側で抗重力に供する筋肉はこれらが挙げられますが
じっとしているだけでもこれらに筋肉は働き続けます

そして筋力が低下したり何らかの障害によりアンバランスが発生し
身体を支える力が乏しくなってきたとき
これらの筋肉がオーバーワークになり
筋拘縮を生じ腰痛や膝痛など様々な症状を引き起こす原因となります

たいていの人は当たり前に立てて当たり前に歩けます
これらの筋肉に何かあったときに当たり前が当たり前でなくなり
辛い思いをすることになります

これらの筋肉の能力が落ちて症状がでたとき
我々の施術では多少の弛緩はできたとしても
能力の回復はできません
もちろん現代医学の最先端であってもそれは不可能
結局自分の力で取り戻すしかありません

病院での治療や手技療法の施術も
重力に抗い身体を支えられる力が残っていることが
大前提であることを知っておかなければなりません
こればかりは自分でしかできないんですよ

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