昔読んだ本を引っ張り出してみると
現代のカリスマ経営者、稲森和夫さんが若き日に
松下幸之助さんの講演会に参加しました
松下さんは景気の悪い時に備える「ダム式経営」を提唱されたのですが
参加者からの質問で「余裕を持って備蓄したいのは山々だけど具体的にどうやればいいか」という質問を受けた際にひと言
「まずそう思わんとあきまへんな」
この一言で会場からは失笑が漏れたそうですが
稲森さんはこのひと言に身体中に電気が走ったと言われました
つまりは「できればいいな」という思いではなく
寝ても覚めてそのことを考え
何が何でも実現するんだという強い思いがあってこそ
何事も実現するんだというお話
行動というものは軽い気持ちであろうが
強い気持ちであろうができるものです
しかしながら望んだ結果を得るためには
「なんとなく」ではダメで
ほとばしるほどの強い思いがあってこそ
深い考え、広い考え、行動に出た時の意志の強さ
これらに違いが出るというところに気づかれたそうです
やはり名を成す人は誰もが見過ごしてしまうところに
深い意味や大きなヒントを見出すようです
「強い思い」が大切なのは何も新しい発見でもなく人生訓でもありません
むしろ誰しもが当たり前くらいに感じていることだろうと思います
しかし世の中にはいいことをたくさん知っている人はいくらでもいます
それなのに行動に反映することができる人ってほんの一握りかもしれません
わかってはいるけどできない
そしてそのいいわけを探すし体裁を繕うのに労力を使う人だって少なくありません
世の中を上手く渡るための目新しい教訓やノウハウなら
飛びついてやってみようという人も多いのでしょうが
原始的ともいえる教訓って常識すぎて
今さら実行したいとも思わなくなるのかもしれません
行動に反映できない知識など昭和の食堂の前に並んでたサンプル模型みたいなもの
それこそ煮ても焼いても食えません
長いこと同じ生活をしていると
ついついそういう部分が目立ち始めます
以前読んだ本を読みなおしてみると
今の自分にちょっと反省してしまう今日この頃です
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