空気圧
子供のころ乗っていた自転車がパンクしました
そのとき考えたのはどうしてパンクを修理する必要があるのかです
パンクしてても自転車はこげるし
多少乗り心地が悪いのを我慢すれば乗って乗れないことはない
常識にとらわれない広い発想だったのですが結果はいけません
結局そのまま乗りまわしてもスピードはでない
ブレーキは利かない安定しない
あまりの不自由さにあきらめて自転車屋にいったら
チューブがボロボロでパンクの修理の何倍もお金がかかり
自転車屋のおっちゃんにはエライ説教されて青菜に塩
常識には常識たる所以があることを身をもって知ったのですが
ここで大切なのは空気圧
タイヤの中に圧縮された空気が安定性を生み出しているのです
空気の減った自転車はグラグラして不安定で乗り心地が悪いだけか
重量が一部にかかるとその部分が破損するのです
このメカニズムは腰痛そっくり
近年腰痛に対する視点が変わりつつありますが
昔は骨盤や背骨がズレたり圧迫されることに
注目が集まったのですが、今はそれだけではありません
むろん昔の考え方が間違っているのではなく
違う要素が腰痛に大きくかかわっているということ
それはお腹の中の空気圧
どう考えても細い背骨だけに上半身の体重がかかるとたいへんです
実はお腹(腹腔)の空気圧を高くすれば
大きな空気が詰まったボールみたいな状況ができ
いわばそのボールの上に胸から上が乗っかっているということになります
つまり背骨だけに体重がかかるのではなく
大きなボールの上にも体重が分散されてかかることになります
だから背骨は動きの上での軸になりますが
体重はボールの上にかかることになります
しかしお腹の中のボールの空気圧が減ると
たちまち背骨にその分の体重がかかることになります
さっきの空気が減った自転車のことを思い出していただくと
なんとなくイメージがわいてくると思います
ベコベコのタイヤと空気圧が減少したお腹は
それぞれ一か所に負担をかけ最後には破損してしまいます
いろいろなパターンの腰痛はありますが
その多くにお腹の空気圧が関わるケースはずいぶんあります
ぎっくり腰だってヘルニアだって結果において違いはありますが
そうなったプロセスには空気圧の問題はついてまわります
だから最近腰痛関連のエクササイズでは
体幹トレーニングとして空気圧に関わる筋肉の強化が必ずあります
むかしは腹筋といっても腹直筋が重要視されましたが
今では呼吸筋たる腹横筋の強化が注目されています
これは腹式呼吸で使う筋肉なんですが
ひどい腰痛の人は大きな声が出ないケースを見かけますが
明らかに腹横筋が弱っているか上手く使えていないということになります
ギョウカイでは常識となりつつあることも
一般の方の中ではまだまだ知られていないのも事実
腰痛のことはまだまだ未知の部分が多いのですが
少しずつ解明されていることもあるのです
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