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2014/08/25

全部骨盤のせいにしないで

先日「太っているのは骨盤が歪んでいるから」という内容のサイトを見ました
わりと世間ではこういう言い方をする人がいるようです

10年くらい前に若い女性が骨盤が歪んでいるので治して欲しいと言ってこられました
具体的にこれといった痛みは症状はまったくないそうですが
友達から骨盤が歪んでいると太るといわれ
自分が太っているのは骨盤の歪みのせいだと信じ込んでこられました

こんな説は巷にあふれていますが
太る原因って骨盤以外にたくさんあるはずです
まあ、フツウなら食べる量と運動量のバランスの悪さを思いつくはずなんですが
そういう自分には都合の悪いことには目を向けず
安易に骨盤のズレのせいにして
それさえ治せば痩せるんじゃないかと考えるのは
あまりにムシのいいお話ではないでしょうか?

彼女にはそれを1時間ほどかけて説明し
そんなことでへんなダイエット方法に騙されないよう注意して
お引き取り願いました
私だってそんな怪しげなダイエットの片棒を担ぐのはごめんです

さて骨盤がズレるというのはどういう現象かということをご説明しますが
昔は骨盤(仙腸関節)は不動関節だと言われていましたが
最近では半関節としてわずかな可動性があるといわれるようになりました

ほとんどの関節はそれぞれ動ける範囲がありこれを関節可動域と呼びます
その正常に動く可動域の中心をニュートラル(中立位)といいますが
それらの骨に付着する筋肉の伸縮性が低下することにより
可動域が減少する場合がありますが
それにともないニュートラルの位置が本来の位置からズレるのです
こういう状態を骨盤がズレるとか背骨がズレると表現するのです

ここで勘違いしがちなのは骨がズレるということは
本来正常な可動域内にあって動ける範囲が減ったというにすぎません
ところが「骨がズレる」と聞けばあらぬ位置に骨が行ってしまってたいへんなことになっている
そんな印象を持つ人も少なくありません
それを利用して印象操作をし恐怖を与えて
自分の都合よく事を運ぼうとするお方がおられるのも事実です

激しい腰痛に悩む人のほとんどは骨盤も腰の骨もズレています
しかしそれらがズレているからといって必ずしも腰痛などの症状になるとは限らないのです
物事には何でも程度というものがあります
「ズレる」という言葉で表せば同じですが
その強さや状態の悪さは人それぞれ異なります
軽微なズレであれば朝起きぬけなんかたいていズレている人の方が多いんじゃないでしょうか?
寝ている間は昼間と違い血流量も少なく
冷えた状態ですから筋肉は多少収縮しているはず
それが原因で骨盤がズレても何の不思議もありません
起きて動いているうちに身体が温まり筋肉も弛緩し
いつの間にか骨盤も元の可動域を取り戻しているものです

骨盤がズレているのが決していいわけではありませんが
針小棒大な説明で何にもない人まで重症者扱いをすることに納得がいかないだけなんです
言ってる人が勉強不足なのか商業主義でいっているのかはわかりませんが
具体的な説明もなく、抽象論だけで片付けるパターンが目立ちます

軽い骨盤のズレ程度でしたら朝の散歩やラジオ体操でも充分元に戻りますし
そもそも身体に大きな変化を与えることもないと思います
もちろん重篤な場合もありますので油断は禁物ですが
なんでもかんでも骨盤に責任を負わせるのは気の毒ではないでしょうか?


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コメント

朝は血流が悪く筋肉が収縮する。。。

以前筋肉が硬直してしまったときに、病院のリハビリセンターで「睡眠中に凝りがほぐれ前日の疲れがリセットされる」と言われましたが、実際はどうなんでしょうか。

投稿: ひよこ | 2014/08/25 09:08

それらは矛盾した話ではありません

寝ている間に疲労回復はなされます
そして血液循環のレベルが下がりますので筋出力は下がります

それらの要素が一度に起きるだけなので混乱しがちなだけです

逆に運動しているときは疲労する代わりに
血液の循環がよくなり疲労回復機能が活発になります
これも一見矛盾しているように思えますが
疲れながら疲れを取ろうとするため長い時間動くことができます
運動療法の多くやクールダウンはそういう仕組みを利用しています

投稿: ひろ | 2014/08/25 09:48

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