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2014/05/28

「いじめ」を超える実践を求めて

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「いじめ」を超える実践を求めて―ホリスティックなアプローチの可能性

ご縁があってこの本に出会いました
「いじめ」を巡る問題はもはや大きな社会問題となっているわりに
ずっとむかしからありなくなりそうな気配すら感じません
事件となったときだけ大騒ぎして
だれに責任をとらせるかという次元で話題となるのですが
現場において有効な手段がない
あるいはそれに着手する環境が成熟していないのではないかと感じていました

本書を読んだ率直な感想が面倒くさいことがいっぱい書いてあったということ
とても言葉は悪いのですが
逆にいえば通り一遍のきれいごとで上っ面をぬぐったとしても
それは問題の本質的な解決にはならないことがよくわかりました
表面の出来事からその中に入り込み
奥底に沈澱している事柄まで考え行動しないとこの問題の取り組みとしては不十分であるということを強く感じました

子供たちは互いに手を取り合ったり
場合によっては揉めたりしながら
社会性を身につけ大人になっていくわけですから
いさかいをなくすことはこの問題の本質ではないようです
むしろ子供たちの中での反発や喧嘩の中で
コミュニティの中でお互いのことを考える習慣をいかに身につけてもらうかが大きなカギのようです

またそのための環境づくりも大切です
他人に不快な思いをさせることを強要し
それを「芸」と呼び肯定しようとするメディアが作る環境も
常々悪影響を及ぼしていると思うのですが
子供固有の問題というよりも
むしろ大人が作りだした社会を子供目線で見たものをそのまま反映しているようにさえ思うのです

問題解決のための取り組みにおいて
環境づくりというのは大切な要素でしょう

制度だけでは支えきれない大きな問題を
現場だけに負担をかけているという環境の中
閉塞しているところもないはずはないだろうと推測します

それでも本書に書かれた取り組みの内容はとても興味深く拝見いたしました
問題を排除するという発想から
子供たちの喜びを創設してみるという発想はニュース等では知ることはなかったです
「やりがい」とか「楽しみ」を共有するコミュニティでは
小さないさかいは自然と消化してしまうものです

私個人ここ数年間小学生にかかわる機会がありました
空手道場で修練する子供たちにはそれぞれ目標があります
もめごとたまにはありますが
それに没頭しているヒマはありません
福島の子供たちが大きなステージで歌うために
何度も練習しその中で築き上げた連帯感
お化け屋敷を自分たちで作るために
ずいぶん前から準備した子供たち
あんなに生き生きした目つきのお化けにはお目にかかったことはありません
そもそもお化けに出会ったこともありませんが

そんなお祭り騒ぎを毎日学校でやる時間もないでしょうが
取り組みの指針としては面白いと思うのです

現実に具体化していくには多くの問題があるでしょう
でもその場限りの取り繕いでは100年たっても同じことを繰り返すだけ
いずれにしても時間のかかることだと思いますので
長い目で見る必要もあり安直に結果を求めるられないでしょう
まずは子供を変えるのではなく大人から変わらないといけないようです

余談ではありますが
本書は数名の共著という形なんですが
一つの方向からの見方ではなく多方面からの提案があります
どんな問題に取り組む場合でもともすれば一方向からの検討が多く見受けられますが
本書のように多元的な提案を紡ぎ合わせるように議論するのは
とても次元の高い取り組みだと感じました
それにしてもインドの聖典「バガヴァッド・ギーター」まで登場するとは正直驚きです

ホリスティック教育というものに初めて触れましたが
我々の世界でもホリスティック医学というものが存在し
そのアプローチの仕方や理念も共通するものがあります
具体的な方法論は困難だとは思いますが
こういう取り組みが広がることを期待します

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