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2013/07/25

うっちゃり

先日、「うっちゃり」について調べてました
「うっちゃり」とは相撲の決まり手のひとつで
土俵際まで寄せられた、または土俵際で吊り出されそうになった力士が腰を落とし体を捻って、相手力士を土俵の外へ投げるもの
という説明があります
知っている人にとっては当たり前のことではありますが
実はこの「うっちゃり」という決まり手がほとんど見なくなったので
実際うっちゃりの場面がテレビ中継などでも見た人は
ほとんどいないんじゃないでしょうか?
なんとここ10年で5回しか決まっていないというのが現状です

大型力士が増えたというのが一番の理由だそうですが
足腰が弱くなったという理由も挙げられています
「足腰が強い」というこの言葉
スポーツの世界では必ず耳にするはずです
今の力士はむかしに比べると足腰の筋肉が本当に弱いというのでしょうか?
近代的なトレーニングマシーンもあるし
体格的にも昔の日本人よりもはるかに大きくなっているし
大いに疑問があります
単純にひとつひとつの筋肉の出力は昔の日本人よりも勝っていると思われます

問題はむしろ「筋力」以外のところにあるように思います
昔の日本人は欧米人に比べると筋肉の量も少ないでしょう
平均すれば今でも筋肉の出力を単純に見れば劣るように思えるのです

では「足腰の強さ」の秘密とは何かということなんですが
私は「動的柔軟性」にポイントがあるのではないかと思うのです
車のエンジンの性能を見るとき馬力を参考にしますが
たいていの場合最高出力を目安にします
しかし公道やオフロードを走るときトルクバンドが重要です
つまり高い馬力をキープできる領域が広いということが鍵になり
どんな条件下でも高出力を維持できるので扱いやすいエンジンという評価になります
逆にサーキット場のレースなんかでは常に高回転域で走行するので
それ以外の回転域では高い出力を必要としません
つまり扱いやすい局面が少ないため条件が悪いとすぐにパワーダウンします

「うっちゃり」の話に戻しますと
体勢を崩され今にも土俵を割ろうとしている悪条件下で
フルパワーに近い筋肉の出力が出せたなら
逆に相手のスキに乗じてうっちゃることもできるのでしょう
つまり筋肉の能力が悪条件下でも高い出力を得られるように鍛えられているからだと思うのです

関節には可動域(動かすことができる範囲)があり
その範囲において筋肉は力を発揮することができるのですが
筋力トレーニングで鍛えるのはたいていその中心となる部分という条件が多いようです
当然このような環境で鍛えられた筋肉は強い力が出せてもその環境の中だけになります
ところが悪環境を自ら作ってその中で筋肉を動かせば
幅広い環境の中で高い出力が得られるはずです

力士は入門すると最初に股わりをやらされると聞きますが
もちろんケガの予防もありますが
これこそが股関節の可動域を広げるトレーニングの第一歩
可動域が広がった股関節で何度も何度も四股を踏み
広がった可動域に出力を与えるよう訓練を積みます

以前お相撲さんの“腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密という本を読みました
この本には股割トレーニングや四股など相撲の基礎となるトレーニングの解説がありますが
一見単純でしんきくさそうな稽古にこそ可動域を広げ
動的可動域の強さを作る重要なカギがあるようです

我々日本人の生活様式もずいぶん変わりました
イスの生活になり正座もしなくなり
和式便所でしゃがみこむこともありません
今の若者が和式便所で所定のスタイルで座って何分持つか楽しみです
股関節・膝関節・足関節(足首)の柔軟性がないといくらも座ってられないですよ

そんな彼らでも足腰の筋力の最高出力を計ったら
昔の若者より優れているかもしれません

「足腰の強さ」とは筋肉の出力の問題よりも
筋力を発揮できる範囲の話ではないかというお話です

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