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2013/07/03

感じ取ることができる限度で

今日は関係者向けのマニアックな話になりますのでご容赦ください

以前同業者の方とお話をしてたんですが
話題の中身はクラニオワークの種類について
これも百花繚乱というかひょっとしたら術者の数だけ種類がわかれるのではないかと思うほど
チャールズ・リドリーの「スティルネス」という本に
その種類が整理されそれぞれの解説があったので
当時わけがわからなくなっていた私にとって一条の光が差し込むようでした

リドリーの分類によるとクラニオワークは3つのタイプに分かれ
「バイオメカニカル」「ファンクショナル」「バイオダイナミクス」に分類されます
頭蓋骨に触れることにより何を感じ取るのか
何が伝わってくるのかによりこれらのどのタイプのクラニオワークに関連するのかも決まるようなことが書かれていました
「クラニアルウェーブ」「フィールイッドタイト」「ロングタイド」「動的停止」
これだけのクラニアルレベルとウェーブがあるそうです
このあたりの詳しい説明は絶版になったまま復活の気配のない
「スティルネス」を草の根を分けて探してお読みください

その方との会話の中で「どのタイプのクラニオワークをされるんですか?」と私に尋ねてこられました
「正直言ってあんまり考えていないんですわ」という私の回答に怪訝そうな様子でした
別に秘密にしているわけじゃないんですけど
詳しく言えるはずもありません
それぞれのタイプのクラニオワークを提唱されてる方々は
自らが感じたものに勝手に名前をつけて説明されているだけで
術者すべてが同じものを感じられるとも限りません
私が施術中の感じたもののクラニオレベルなんて比較対象になるものがない以上どれに該当するかわかるわけありません

本を書くときそんなんじゃ読む人に伝わらないので
観念的なことを客観的に書き普遍性を持たせようとするのは本を書く上では当然のことであり必要なことでもあります
ただそれぞれのクラニオウェーブは直観で感じるものである以上
物理的な動きでもありませんので測定の方法もありません
いわばないものを感じるようなものだからおいそれと説明できるわけがないのです
だからといって裸の王様は実は何も着ていなかったというつもりもありません
観念的なものをすべて否定する唯物論者でもありませんし
このクラニオレベルというものヨガで言われる人間存在の五蔵説に
いらぬ邪推をしてしまうほど似ているようにも思えるのです
私個人としては「そんなもんない」と軽く一蹴できるほど軽いものではありません
だから「ない」のは私自身の感じ取る能力なのではないかと思うのです

ひとつの事象に対してさえひとそれぞれ受け取り方は異なります
ましてや観念的なことを実体化するような説明においてはなおさらのこと
「スティルネス」を翻訳された高沢先生でさえとてもオリジナリティー溢れる解釈を展開されておられます
それが正しいとか間違っているなどと誰が評価できましょう
共感できる部分もあればできない部分もあり
そういった意見に触れることこそ私の独り善がりな解釈をも
「みんなで渡れば怖くない」という安心感にかえることさえできるのだろうと思います

長ったらしい言いわけになってしまいましたが
所詮手技療法というものは人の身体に触れて何を感じられるかが勝負
本に書いてある知識を丸暗記して教条主義に陥っては本末転倒
自分の感覚に対するナビゲーターくらいにつきあうくらいでちょうどいいと思います
百回触って感じられなければ千回
千回でわからなければ万回
そのうちにもっとややこしいことも感じられるようになるかもしれません

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コメント

おはようございます(^_^)
中々ヨガ教室に行けないでいる私です(^_^;)
感じ取ることができる?私、たま~になんですけど、他の人に触ったリしたときに、血圧が高いのかな?やばいと思ったり、お腹に触ったときにも、今までに6人子宮筋腫とと子宮ガンで手術した人がいます。
自分でも、朝起きたら歯が痛いと思い、ホツペに手をあてたら、異常を感じ直ぐに病院に行きました。まあその時は母が夢にでてきたこともあって~2回再発して3回手術を受けています(^-^)今は何でもありません(^_^)なんでしょうね?

なんなんでしょうね?

投稿: おけい | 2013/07/03 08:30

それは素晴らしい!
一度おけいさんに弟子入りしたいものです
この仕事をしている人だけが身体を触って何かを感じる力を持っているとは限りませんからね

私も6週ヨガに行けてません(-。-;)

投稿: ひろ | 2013/07/03 08:36

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