風の行方
ひと月前にスマイルアゲインコンサートで
福島県までご一緒させていただいた久保比呂誌さん
今頃になってCDを出されていたことを知り
何としてでも聴きたくて連絡を取り分けていただきました
今まで津軽三味線の演奏しか拝見したことがありませんが
ピアノやシンセサイザーの演奏もすごくいいのです!
これは癒される音楽です
春の心地よい風は凍てついた心を解きほぐします
夏、木漏れ日の隙間をぬって吹く風はとても爽やかです
また冬の海で波しぶきとともに岩に打ちつける風はとても厳しく
都会のビルを駈けぬけるつむじ風は突然にやってきます
自然が生み出すものは決して人間にとって都合のいいものとは限りません
しかし私たちは自然の恵みを受け自然の仕打ちに耐え生きていかねばなりません
「人工」という言葉は「自然」の反対概念ではありません
人の造り出したものも所詮は自然の一部にしか過ぎないわけです
人にとって切り離すことのできない自然
いつも隣り合わせにいる自然
それを音楽という素材で表現したアルバム
そんな印象が強く残りました
穏やかで繊細
厳しくて荘厳
母なる大地、父なる空に吹く風
いつもは風の通過点にいる私たちは
決して風の行方を知ることはありません
たまには一緒に風になり人々のいる風景を駆け抜けてみるのも悪くありません
音楽を通じて風の行方にたどり着けそうな気がします
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