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2013/06/26

呼吸筋

呼吸というものに興味を持ちいろいろ情報収集しだして10年くらいになります
呼吸が生命活動においてなくてはならないものであることはいまさら言うまでもありません
身体活動において生命の維持にかかわる項目はたいてい自律神経の支配を受け
自分の意思に基づきコントロールすることはできないのですが
私の知る限り唯一呼吸だけは随意の活動が可能です

いったんこういうことを書き始めると
おそろしく長ったらしい文章になり
何が本題なのかわからなくなってしまったので
ほとんど削除してこの先に進みたいと思いますが
要はそれだけ呼吸というものがすごく大事なもので
いろんなことに関わってくるということだけは申し上げておきたいのです

いろんな本を読んでいると呼吸のメカニズムについて触れてあるのですが
どうも納得できない記述がいくつか見られます
推察するに呼吸という機能に供する筋肉や肺の動きに対する
整理がきちんとできていないことがその原因ではないかと思うのです
おそらく機能解剖の分野でも未だ呼吸に関しては
未知の部分もあるのではないかと感じています
もちろんその時代時代でわかってなかったことも多いようなので
批判することが目的ではありません
むしろきちんとその働きを整理しておくことで
自分自身の中で誤解のないようにしておかないといけないのです

前置きが長くなりましたが
呼吸筋について整理しておくと
呼吸筋の種類は横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋などがあります
ただこれらの筋肉が同列に作用するのではなく
正常時の安静呼吸では横隔膜を収縮することで息を吸います
同時に外肋間筋も使用し胸郭を広げます
そして息を吐くときは筋肉の収縮はなく
伸びた肺が自然に元に戻ろうとする力で呼気が行われます
ときたま「横隔膜を動かして息を吐く」なんて表現が
腹式呼吸の説明でなされることもありますが
これは明らかなる間違いで
横隔膜が緊張するのは息を吸うときのみで
呼気ではむしろ力を抜かなければいけないわけです

さらに努力呼吸といって不足した呼吸量を補うために行われる呼吸の場合
上記の動き作用に加え、吸気には胸鎖乳突筋・前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋が働き胸郭を持ちあげます
呼気には内肋間筋・腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋らが働き胸郭をすぼめる役割と腹圧を上げ横隔膜を押し上げる役割を果たします
これらは呼吸補助筋といいますがあくまでも極度に緊張あるいは興奮したり運動時にその役割を果たします

よく腹式呼吸がよくて胸式呼吸はダメというような表現もありますが
完璧にどちらか一方のみの呼吸法はありえず
あくまでもその割合の問題と捉えた方が自然ではないかと感じています
さらに言えば腹式呼吸をすれば落ち着くといった考え方も見受けますが
腹式呼吸でも興奮や緊張を促すタイプの呼吸法も存在し
スポーツのとき気合いを入れるため腹から声を出すというのは
明らかに緊張するのが目的の呼吸法だと言えます
リラックスすればいいというものでもなく
緊張時とリラックス時の切り替えをコントロールできれば理想的なんでしょうね

通常呼吸と筋肉に関しては現在このあたりまでが
普遍性のある説明なんでしょう
マニアックなところに目を向ければ
骨盤底の筋肉も呼吸に関係すると言われています
どちらかといえば最新の医学的・科学的な見地というよりも
ヨガや虚無僧尺八の呼吸法『密息』であるとか
どちらかといえばかなり古いものにこういった呼吸法が存在します
最近では声楽にもこういう呼吸法が取り入れられているということも聞きます

呼吸というものは誰もが当たり前にできるもの
しかしながら細かいメソッドに関しては
古来より多くの方法があるようです
それぞれの方法により心や身体に何らかの影響を及ぼすことは承知している方も少なくはありません
理論よりも実践し体感してみなければわからないことも多いはず
しかしながらその前に呼吸の仕組みや細部の働きを知っておかなければ
体感したことを表現する場合誤ったものになる可能性も高いのではないかと思う次第です

知識的なこともきちんと整理しておかないと
本を読んでも自分の中で修正が利かなくなりそうでコワイんです
そういうわけで一度整理してみました

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