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2013/05/30

背番号三桁

Sebangomiketa
背番号三桁―「僕達も胴上げに参加していいんですか?」

『光あるところに影があり』
子供のころ観た「サスケ」というアニメのオープニングでそんなセリフがありました
何かに光が当たればそれは煌々と輝きますが
必ず影が生まれます
人から注目されることなくいつしか消えていく
現実の世界では影の部分の方がむしろ多いのではないかと思います

プロ野球という夢を売る仕事の陰には
夢破れ去っていく数多くの若者がいることを忘れてはいけません
しかし野球への情熱、あるいは未練やしがらみなどで
その世界に残る人もいます
彼らはスポットライトに当たることはありませんが
その世界で我々と同じように仕事をし暮らしています

日頃多くのメディアで紹介されるヒーローたちのストーリーとは正反対のサイドストーリーが本書には詰まっています
「裏方」という立場ではありますが
勝利という目的は活躍する選手たちと共通
そして彼らでしかできない役割も重大です

最初に登場する西口裕治氏は私と同世代
テスト入団とはいえ期待されて入った大型捕手
すべての選手が一軍で活躍することを夢見ているのですが
思い通りにいかなくても日々の生活がありやるべき別の道も見え
そんな毎日を懸命に生きる彼らについ感情移入して読んでしまいました
華やかな世界の中には我々の生活以上に
地道な努力の積み重ねがあることを思い知らされます

生々しいとも言えるプロ野球の現実に触れてみるのもたまにはいいかもしれません
美辞麗句が並ぶプロ野球関連の本はいくつも読みましたが
たいていは都合の悪いところは触れられてはいません
かなりリアルに2003年のタイガースのリーグ優勝を振り返ることができました

当時のピッチングコーチ佐藤義則氏の
伊良部投手に対する裏話も納得
あのころ気になっていたことも
真相がわかりスッキリした思いです
もうあれから10年か…

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