動かない肋骨
施術で身体を触っているとき
いくつかのチェックポイントを確認しながら進めます
これで身体のどこに問題があるかを探るわけですが
その中でも大きなチェックポイントのひとつが肋骨
肋骨というのは骨ですので、正確にいえば胸郭になります
つまり背部からある程度の圧迫を加えた際
肋骨のしなりがどの程度あるかを確認します
その弾力性の有無や程度、あるいは場所により
具体的な問題点が浮かび上がってくるのです
下部肋骨にしなりがない場合上半身を捻るとき
胸椎が回旋しないので全体の回旋運動を腰椎が担うことになります
つまり腰に負担がかかるということ
一般的な腰痛の人は下部肋骨の硬さを伴うケースが多いのです
また上部肋骨ですが
ここから首や頭部に走行する筋肉もいくつか存在します
上部肋骨の緊張がそれらの筋肉に伝わり肩こりが発生します
腰痛や肩こりも胸椎の動きが阻害されて
それぞれの部位に負担をかけていることが原因の一つとなっていることもあるのです
その他にも長期間にわたるストレスは力んだ状態を生み出し
肋骨周辺に何とも言えない独特の緊張を与えることがあります
これらのケースにおいては胸郭の柔らかさを取り戻すだけで問題が解決するということはありませんが
当該部位をいくら施術しても症状が緩和しないというとき
胸郭に対するアプローチをすることで前に進むこともあるのです
ジグゾーパズルではありませんが
すべてのピースがそろってはじめて形をなすということもあるようです
ふだんの生活において肋骨の動きなど意識することはまずありません
胸椎から肋骨がでて胸骨に付着してリング状を形成します
その独特の形状から動かないものというイメージもあるのかもしれません
しかしながらそのわずかな動きが阻害されるとき
周辺部分に少なからず影響を与えるということも
覚えておいた方がよさそうです
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