できること できないこと
以前会社勤めをしていたとき
当時の常務取締役が会議の席で私たちにこういいました
「君たちはプロだ!だから『できます』『やれます』だけでいいんだ」
私たちの士気を鼓舞する目的と社長に対するポーズというふたつの目的があったんだろうと思います
しかし当時の私らもベテランと呼ばれる年代で
ある程度先も読めるし命じられた事柄の達成の可能性も予測できます
このへんが難しいところでたぶんダメだろうから
早々と諦めてしまうのもベテランの悪いところ
かといって具体的な策もなくやみくもに頑張れと言われても力のいれどころもわかりません
結局は上層部もけしかけるだけで落とし所をちゃんとわきまえてから
我々に対しそれ行けやれ行けって言ってたのですから敵もさるものです
上のレベルになればなるほどキツネとタヌキの化かし合い
大人の世界ではよくあることです
それから数年後私は会社を辞め今の職業に就きます
師匠の下でいろんなことを教わりました
インターンのころには実践経験も積ませていただき
その中から教科書には書けない大切なことを教わりました
自信半分、不安半分で開業し
自分の責任で自分の判断ができる環境が整いました
身に付けた技法にも期待できそうです
正直いろんなことができそうだとも思っていました
とりわけクラニオワーク(頭蓋仙骨療法)ではいろんな人を助けられそうな気もしていました
ところが世の中そう甘くはありません
いい結果も出ましたが、そうでないこともありました
教わった技が悪いのでも知識が悪いのでもありません
それらの知識や技を運用する具体的な方法論
あるいはそれを裏付ける経験が足りなかったのでしょう
どんなご立派な知識を習得しても実際にやってみるとその通りにはいかず
適時に適切な修正も必要になります
たぶんそれもできなかったのでしょう
それが証拠に今使ってる技の多くはむかし師匠のところで教わったもの
結局は使い方や使う場面、組み立てなどがわからなかっただけということになります
その中で気付いてひとつずつ積み重ねてきたことは
自分にできることとそうでないことの分別かもしれません
会社の営業数字なら迷惑を被るのは自分らだけですが
今の仕事じゃそうはいきません
最低限、私にできることとできないこと
さらにその理由、そしてどうすればいいのか…
そこんとこをきちんと話をして納得してもらってから…
それが仕事をやる上での前提だと思うのです
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