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2012/09/24

『動かさない』は『動かせない』へ

「習うより慣れろ」という言葉の通り
いくら教わってもできないときはできないもの
しかし特に教わらなくても普段からやっているといつしかできるようになっている
そんなことはいくらでもあります

学生時代、英語のテストで落第点ばかりとっていたのに
英語を使わざるを得ない環境に入ってしまえば
それなりにできるようになっていたということもありったりすのですが
それでも今は使う機会もなく元の木阿弥ですから怖いもの
「習慣」の大切さをを感じずにはいられません

身体も同じです
学生時代はけっこう身体が柔らかく
体力測定で前屈をしたら足底のラインからさらに20cm近くまでいったのに
30代後半には膝を超えたところまでしか行かなくなってしまいました
そのころから腰痛にみまわれるようになったんです
おかげさまで今はかろうじて床につくくらいには柔らかくなりました

身体には数百の関節があり物理的な可動域でいえば相当大きく動けるのです
ところが普段の生活においてはさほど大きく動くことはありません
一日や二日ならいざ知らず何年間も動かさないでいるといつの間にか可動域は失われます
それでも日常生活に差し支えないレベルであれば困ることはありませんが
その程度が著しくなるといつしか痛みが発生します
「学生のころは柔軟性があったんですけど…」
昔話をしたって後の祭り
今ある現実を変えないと痛みは続きます

誠にお気の毒なことですが
腰痛館にはいろいろな事情で歩けない方
動けない方も来院されます
それぞれ本人さんに責任のない事情があったとしても
使えない身体は斟酌なしにさらに機能が低下します

筋肉の委縮だけではありません
動けないことから血液やリンパの流れが悪くなり
組織の癒着が始まります
中を開けて見たわけではありませんが
手で触っていると筋肉(筋膜)・靭帯・皮膚が癒着したような感じになり
組織全体が動きに適した状態ではなくなります

福井勉先生の「皮膚運動学」という新しい着眼点に
私自身もここのところ傾倒しているのですが
実際に触っていると皮膚の問題も大きく関与しているのが理解できます
とりわけ関節可動域制限のある個所においては
何らかの形で皮膚の癒着が見受けられます
もちろん筋肉にも異常があるんですが
けっしてそれだけではないということは間違いなさそうです
要するに全部が動かない方向に向かっているのです

人の身体はある意味シビアです
動かさない部位や動かさない範囲には情け容赦なくリストラをかけます
必要のない部分を退化させるのは生物としての必要戦略である
そんな言葉をどなたかがおっしゃってました

いつでも動かせるけど今は必要がないから動かさない
きっとその程度の軽い認識なんでしょうが身体はシビアです
いつの日かそこの可動性は間違いなく奪われます
それが嫌なら定期的に動かす習慣をつけておくことです

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コメント

こんにちわ!

昨日、義兄の嫁さんが、脳梗塞になり
入院したと聞きました。
脳梗塞と言うと、手術と思ってましたが
しない?出来ない?
人それぞれに、違いがあるのでしょうね。
どんな後遺症が残るのか、分かりませんが
大変な事です。

健康は有難いなと、つくづく感じます。

投稿: うさうさ | 2012/09/24 16:15

私も門外漢なので詳しいことはわかりませんが
病名が同じでも程度も違えば発症部位も違います
その時その時にできることと必要なことを処置するのです

いずれにしても病気にならない身体づくりが大切だと思います

投稿: ひろ | 2012/09/24 16:23

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