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2012/09/12

背中呼吸

先日ご紹介した精神科養生のコツという書籍
この中で注目すべき個所があったので掘り下げてご紹介したいと思います
その名も「背中呼吸」というんですが
その実態は理想的な腹式呼吸法ではないかと思います

Img060

この図のように四つん這いになり
胴体を上げたり下げたりしながら呼吸をします

説明しやすいようにYoutubeからヨガの「ネコのポーズ」をやっているのをお借りしてきました
胴体を下げ顔を上に向けると自然に腹部が広がります
このときに息を吸います
そして胴体を持ちあげ顔を下向けにするときに息をゆっくり吐きます
四足歩行の動物は基本このようなパターンで呼吸をするそうですが
こうすると大きく呼吸ができるわけです

このポーズをとりながらの呼吸は腹式呼吸には違いないのですが
背筋を意識しながら理想的呼吸ができることから背中呼吸と名付けられたのだと思います

さらに興味深いのはこの背中呼吸から
会陰部に意識を持ってくる呼吸法
会陰とは股関節、肛門から性器に至るまでの部分を指しますが
息を吸うときに会陰が広がるイメージを持つというところがポイント
腹式呼吸は主に腹横筋というお腹を巻くような腹巻みたいな筋肉を使いますが
理想的な呼吸法だと骨盤底筋郡すなわち会陰部の筋肉も使用しなければならないのです
骨盤底をうまく使うことで骨盤帯の容積が最大限に広がり
その空気圧を利用し(腹腔の空気圧が下がり)横隔膜をより収縮させることが可能になり
必然的に肺により多くの空気をとりこむことが可能になるからです

骨盤底を使う呼吸というのは一般になじみのないメソッドですが
声楽の世界では近年とりいれられているそうですし
虚無僧尺八の演奏では「密息」と呼ばれ古来からこのような呼吸法が伝わっているそうです
人から教えられずとも一流の管楽器奏者なら自然とこういう呼吸方ができるようになっているみたいです
もちろんボーカリストにはお勧めしたい呼吸法と言えます
大きいブレスが瞬時に可能ですので声の圧力も変わりますし
ピアニシモで歌う場合でもしっかりした最も弱い音が可能になります

以前から知り合いのボーカリストの方にはこんな話をよくしたものですが
具体的なエクササイズとしてこのようなやり方があったとは私も驚きです
なにせ私も毎週ヨガ教室でネコのポーズをやっているんですからね
ただ呼吸法とリンクしてこのポーズをやったことはないので
この本で紹介されている背中呼吸や会陰呼吸というのは
とても興味深く読ませていただきました

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