はだしで遊ぶと
空手の道場に通いだしてかれこれ1年半ほどになります
ずっと彼らの動きを見続けていくつか面白いことに気づきました
その中のひとつが「足の裏」です
言うまでもなく足の裏は体重を支える箇所
大人であれば50kg以上の体重をふたつの足の裏という実に狭い面積で支えているのです
リアルな形をした人形でやってみればよくわかりますが
こんな狭い面積で身体を支えられるわけがありません
それなのに我々は当たり前に立っているばかりか
歩いたり走ったり時には跳んで着地までやってのけます
これは左右の股関節・膝関節・足関節を使い小刻みに体重を移動させることでバランスを形成しているのであって
決して完璧な直立不動というわけではないようです
極端な話バレリーナのようにつま先だけでもバランスが取れるならばわずかな設置面積でも問題ないのです
それはひとつの事実としても足の裏の接地面が大きいほど
安定性が増すのもまたもうひとつの事実です
だからオリンピックの体操競技のように
激しい運動からの着地にはありとあらゆる要素を駆使して安定を図らないとグラッとくるのです
さて錬心館道場で気付いたことはといえば
動くたびに下半身が安定せず身体がぶれる子供に一定の傾向があるということ
低学年で体力的に未発達なお子さんは除けば
彼らの多くに不随意でかかとが浮いたり足の指先
場合によっては足の裏の内側が頻繁に浮く傾向が強いということ
これはどういう現象かといえば足の裏の一部で身体を支えている状態を意味し
足の裏全体で床をホールドできていないのではないかという仮説をたてました
それでなくても身体全体を支えるにしては足の裏はその面積が少ないのですが
その足の裏全体を使うことなく一部で体重を受ければ
必然的に不利になるわけです
そう思い立ち何人かの子供たちに
足の指でしっかり地面をつかむように指示したら
比較的簡単にグラつくことがなくなりました
そして時間がたち足の指に対する意識がなくなりかけると
再びグラつくようになります
今の時代スポーツをするときや遊ぶ時
たいてい靴をはきます
それぞれの競技でスポーツシューズの形状も異なりますが
ソールの部分は地面や床をしっかりホールドできるようにできているはずです
普段裸足で運動をする機会はほとんどないと言っていいでしょう
時代が違うといえばそれまでですが
私が子供のころ裸足で遊ぶのは珍しくありませんでした
恐らくそのころ地面をしっかりつかまないとまともに動けないので
遊びのうちから自然と足の指の使い方をマスターしたのかもしれません
もちろん小学生くらいのお子さんは大人と違い
一度コツを覚えるとわりと簡単にできるようになります
手は素手のままで生活しているから比較的器用ですが
足は靴下と靴に包まれ細かい動きはできません
昔の日本の生活だと下駄だったり草履だったり
西洋の靴よりも比較的足の指の自由度がありました
こんな生活の違いから足の指の器用さが奪われたのかもしれません
日本人は西洋人より足腰が強いなどと言われます
足腰の筋肉の量から見れば日本人の筋力が特段強いとは思いません
むしろこういった生活の違いからくる足腰の使い方の器用さが
強さにつながったんじゃないかと考えます
和式便所しかり正座しかり
西洋化した今の日本人の生活ではつらいという人も数多くいます
以前の生活様式もきちんと比較してみると
いいところもたくさん見つかりそうだと思いませんか?
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