手の可能性
このユーモラスな彫刻はロンドン自然史博物館に展示されている
カントリー夫人の運動野と感覚野のホムンクルスといいます
顔と手だけがやたらと強調されたアニメーションに登場しそうなキャラクターみたいですが
とても学術的に意味のあるもので
左のが運動野で右のが感覚野の脳の領域に比例したサイズで人の身体を表したものなんです
例えば右の彫刻では手は身体のどの部分よりも大きく
これはすなわち感覚を感じ取る能力としては最も大きな領域を脳の中で占めるというわけです
たとえば日本の硬貨は一円玉から五百円玉まで6種類ありますが
手のひらに乗せてみると目をつぶっていても当てられるだろうと思います
十円玉と百円玉の区別は難しいでしょうが
それ以外はそんなに難しいとは思いません
しかし足の裏で触ってみてもなかなかわからないでしょうね
つまり手は感覚を感じ取る能力は最も優れているわけです
豚や犬は嗅覚が発達していますので
この彫刻のようなものを作れば全身鼻だらけになるのかもしれません
手技療法というのは当たり前の話ですが手を使います
それは単に技をかけるだけではなくセンサーとしての能力も大事です
手から伝わってくる情報をもとに判断することが多く
時には画像で知りうる情報よりも重要な事項を察知することもあります
どちらが優れているかなんてナンセンスなことで
それぞれできることとできないことがあるだけの話なんでしょう
なんとなくこの彫刻の画像を見ていると勇気がわいてくるのです
もとより備わった能力だけではなしに
訓練することでさらにその能力も高まるはず
限界があるのかないのはわかりませんが
その可能性に期待したいものです
(画像:脳の中の身体地図より)
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コメント
こんにちわ!
興味深いお話ですね。
手が右の写真、ほんと異様にでかいですね。
それも、ちゃんと意味のある事なのかぁ。
可能性に期待!ひろさん、期待してます。
投稿: うさうさ | 2012/08/29 11:53
人間の手が器用に動くのは運動野の支配領域が大きいからです
美味しいお料理もだから作れるんですね
投稿: ひろ | 2012/08/29 12:16