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2012/06/28

一緒に働く

「右利きだから右の腰が痛くなったんですね」
こういう言葉を何度となく聞いてきました
五十肩で腕が上がらないときにも同じようなことを言われます
もちろんこんなセリフを言われるのは右利きの方が右側を痛めたときだけ

これが真実だとしたら右利きの方は左腰が痛くなることはないわけです
もちろんそんなことはありません
実際昔私が激しい腰痛に見舞われたとき右側でした
しかし私は左利き

実際には利き腕だったり利き足だったりすることでそちら側だけが痛くなることはまれです
野球の投手のように利き腕だけを酷使すれば
そちらが痛くなるのは当然ですが
日常生活ではそこまで偏った使い方はあまりないでしょう

右利きだから右ばかりを使うかといえばそうでもありません
包丁でものを切るとき左手を後ろにやれば右腕に力が入らなくなります
包丁を持って切るのは右なんですが
気が付いていないだけで左手にもそれなりに力が入っているのです
たとえ動いていなくても力だけは入っています

野球の投手でも右手(腕)だけで投げているかといえばそうではありません
左手(腕)も力が入り肘を後ろに引く動きを見せます
そうでなければ軸回転ができないからです

利き手の関係としてはこんなもんですが
我々が思っている以上に身体は多くの働きを見せます
ここであえて「働き」といったのは必ずしも「動き」とは限らないからです
例えば歩くとき右足を前に出したとします
主体的に動いているのは右足ですが
左足は身体を支えるという役割を担います

足にも「利き足」というのがありますが
右が利き足の場合、左足は軸足としての仕事をします
サッカーでシュートを打つとき右足で打つ人が多いのは
手と同様右利きの人が多いからです
右利きの人に左足でシュートさせてみると
たいていの場合上手くできません

そんな選手に左足の蹴り方を指導するより
軸足となる右足の使い方を意識させると少しだけマシになります
空手でも右利きの人は左の蹴りが弱いのですが
いつも右膝を少し曲げて身体全体の動きを受けられるようにしてもらえば
軸がブレにくくなり安定するので強い蹴りができるようになります

人の身体はよくできたもので自分の身体が不安定になるのを嫌います
だから軸がきちんとできていない状態だと強い蹴りができないように
自ら制御して転倒を防ごうとします
もちろんこれは無意識に行われます

だからサッカーでも空手でも蹴り足を鍛えるのも大切なんですが
軸足の使い方を意識して練習することの方が先決だと思うのです

解剖生理学を勉強するとき共同筋とか拮抗筋とかを習いました
筋肉レベルの話でも意外と単独で動くことは少なく
いくつかの筋肉が協力しあったり反発したりする中でひとつの関節が動きます
さらにもっと大きな視野でみても身体の動きは一部分だけで動くことはまれです
動作における目的に目を奪われるとわかりにくいですが
思わぬところで思わぬ部位が仕事をしていることもあるのです

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