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2012/06/20

隠れた働き

ローテーターカフといえば最近はインナーマッスルなんて呼ばれ方をしますが
確かに肩周辺をとりまく筋肉の中では深い部分に位置する筋肉です
ローテーターカフは肩甲骨から上腕骨に走行するいくつかの筋肉で
棘上筋、棘下筋、大円筋、小円筋が肩甲骨の表側から出るのに対し
肩甲下筋だけは肩甲骨の裏側から上腕骨に走行します

解剖生理学の本でローテーターカフの作用を見てみると
棘上筋は「上腕骨の外転」
棘下筋は「肩関節の外旋と伸展」
小円筋は「肩関節の外旋、肩関節の伸展、肩関節の内転」
大円筋は「肩関節の内旋、肩関節の伸展、肩関節の内転」
肩甲下筋は「肩関節の内旋、肩関節の内転、肩関節の伸展」
このようにそれぞれの筋肉は肩関節の様々な動きに関与します

ところがこれらの「動き」以外にも大きな役割があることを見逃してはいけません
それは「肩関節の安定性」です
ご存じのとおり肩から腕、指先に至るまで様々な作業や動きに使われます
さらには重いものを持ったり、素早い動きを強いられることが多い部位でもあります
肩関節はいわばその土台ともいえる箇所
しかも肩関節の可動域は他の関節と比較しても多方向に動く関節です
関節の安定性としては一定方向に動く方がありがたいのですが
大きな力がかかる割に多方向に力強く動く機会が多い肩関節
その安定性を確保するのは困難なはず
しかし肩甲骨から上腕骨に走行するこれらの筋肉が
それぞれのテンション(緊張)で多方向にバランスを確保してくれるのです

ローテーターカフがもたらす肩関節の安定性の問題は我々にとっても重要な事項
たとえば何らかの理由で安定性を欠いた状態からでの肩関節の動きは様々な障害を引き起こす要因となります
具体的な症状についてはここでは論じません
とてもじゃないけどブログでは書ききれません

しかし肩関節もしくはその周辺で起きた障害をみるとき
必ずといっていいほどここから問題は始まると考えていいと思います
施術手順を考えるとき必ずチェックしておきたい部分です

筋肉というのは関節を動かすのが仕事です
しかしこれらの筋肉のように動きではなく状態を維持するという役割も知っておくべきだと思います

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コメント

こんにちわ!

筋肉は、関節を動かすのが仕事、
なるほどと再認識です。
ひろさんのブログへお邪魔すると
色々分かって、為になります。

2週間くらい前から、腰痛がでて
マッサージ器にかかったり、湿布
貼ったりと・・。(^^ゞ

投稿: うさうさ | 2012/06/20 12:23

梅雨入りしてから調子の悪い人が増えてきたみたいです
とりわけ腰痛の方は大変な方が多いみたいです

投稿: ひろ | 2012/06/20 13:14

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