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2012/01/31

寒くなると膝が痛くなるわけ

寒くなるといろいろな症状を耳にします
その中でも最近増えてきたのは膝痛
身体を支える上でとても大切な部位であることは言うまでもありません
しかも細い関節に全体重がかかるわけですから苦労もたえません
そしていったん痛めたら長引く上に
ひどくなると取り返しがつかない事態にまで陥るので
充分に気をつけたい場所でもあります

膝の障害に関しては二通りあり
スポーツ障害で膝を痛める人も少なくありません
代表格では前十字靭帯損傷や半月板損傷など手術を要するものもあります
もちろんこういうものは整体でどうなるものでもありませんので
速やかに整形外科で受診すべきです
その後のリハビリなどでお越しになる方は多いのですが
まずは画像所見で明確な診断を受けなければなりません
そのほかにも「ランナー膝」とも呼ばれる腸脛靭帯炎や鵞足炎も少なくありません

そしてもうひとつは運動などの激しい動きで傷つけたわけでもないのに
だんだん膝が痛くなってきた場合です
ぶっちゃけた話、運動不足や老化現象に起因する痛みといった方がわかりやすいかもしれません
こちらのパターンはコレという原因が見当たらずなんとなく不思議な気持ちになります

医師の診断を受けると
「軟骨が磨り減っている」とか「炎症が起きて水がたまっている」なんて診断されるケースもあれば
最悪半月板が損傷していることもあります
病院で水を抜いてもらったり、ヒアルロン酸の注射を打ってもらうなど
それぞれのケースに即した治療法が施されます
これらの具体的な方法論は私らがどうこう言うべきことではありませんが
どうしてこんな症状になっていったのか合点がいかない方も多いのではないでしょうか
またこれらの症状は膝にでた結果であり
それに至るまでの原因があるはずです
何もないのに膝に水がたまったり
ある日突然軟骨が磨り減るわけではありません
病院で診てもらい何らかの診断結果がでるわけですが
それまでのプロセスについては承知していない方も多いはず

とりわけ寒いときこんな症状の人が増えたり
あるいは痛みが激しくなる理由は何なのか?
疑問に思う方も多いでしょう

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膝の周りにはたくさんの筋肉が存在します
それらのほとんどは膝の関節をまたぐように付着しています
そしてこれらの筋肉が収縮することにより
膝は曲がったり伸びたりの動きをみせます
関節は2つ以上の骨と骨とのジョイントであり
それだけでは動くことができません
筋肉が動力となって骨を引っ張り初めて関節は動くことができます

これらの筋肉はすべて極めて精巧なバランスのもとに動いています
ところが筋肉のバランスが損なわれるとたちどころに関節内にストレスがかかります
「筋肉のバランス」とは何か…?
それは「張力」です
筋肉は縮むことで骨を引っ張り骨を動かすのですが
同時に反対方向に動かす筋肉は伸びてくれないとブレーキがかかった状態になり
関節内に無用な圧力がかかります
ちょうどブレーキをかけながらアクセルを踏むようなもの
これではそのうち車は故障します

そこで厄介なのが老化現象や運動不足による筋肉の衰えです
難しい言葉で「多関節筋」という種類の筋肉があって
これらは二つ以上のの関節をまたいで付着している筋肉のことを言い
実は膝の周辺筋肉の主要なものはほとんどこの多関節筋なんです
そして重要なのは多関節筋が衰えたとき短縮する性格を持っているということです

膝周りの筋肉の主要なものが短縮するということは
すなわち膝の関節の隙間が減少することを意味します
それでなくとも膝には恐ろしいほどの重量がかかります
立ってるだけで体重の100%
歩けば体重の200~300%
階段の上り下りにいたっては体重の700~800%
これだけの加重が膝に加わるのです
そこへ関節の隙間が減ってしまうとどうなるかお判りいただけるでしょう
だから膝が痛いときに体重の話をされるのは
「体重×何倍」の計算式があるからです
ただ体重だけが問題かといえばそうではありません
体重が重い方でも若い方には痛みが出る人は少なく
体重が軽い人でも年を取ると膝が痛い人が多いのは
筋肉の衰えの問題が存在するからです

これで軟骨が磨り減るのも、半月板が損傷するのも、炎症を起こすのも
なんとなくわかったような気がしませんか?

このような状態を作るのに何年もかけているから
自分の膝が悪くなっているのも気づかず
痛み出して初めて気がつくのが普通なんです
正直いったん痛み出した膝は厄介です
なぜならば老化現象や運動不足を克服するために
運動を始めようとしても逆に膝に負担がかかり症状は悪化するからです
じっと安静にしていても老化現象が治るわけでもなく
年々悪化の一途をたどるというパターンになると最悪です

私がアドバイスする場合でも家ではストレッチなんかで短縮した筋肉を伸ばす運動をして
膝に負担がかかりにくい運動をしながら半年から2年ほどかけて徐々に鍛えていくという方法を申し上げています
ただしこれもそのときの状態や個人差が大きいので
とても慎重にアドバイスしているつもりですし
危ないと思ったら絶対にやらせることはしません

私が施術をしてもすぐに楽になる人もいれば
なかなか改善しない人もいるのが実際のところ
とにかく根気よくやらないといけないのですが
一番いいのは足の筋肉を衰えさせないことが一番の予防なわけです

このように筋肉が衰え関節内に余分な圧力が加わった状態のままだと
いろいろな治療法を施しても後手になり
なかなか痛みが取れないというのも多いパターンです
寒い日になると身体中の筋肉が縮こまります
それでなくても短縮してしまった筋肉が寒さでさらに縮むとどうなるか
賢明な皆さんにはおわかりのことと思います

冬場、この手の話は膝だけに限ったことでなく
腰痛や肩の痛みなんかも同じような理屈で症状が悪化することも少なくありません
その中でもとりわけ足元は冷えやすいのが現実です

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コメント

こんばんわ!

膝痛、わたしも、感じる時があります。
また、叔母などを見ていると、みんな、
膝が痛いようです。

今のうちから、鍛えておかないといけない
そう思います。

投稿: うさうさ | 2012/01/31 23:35

膝の痛みも腰痛も最初に異変が起こるのはハムストリング(太ももの裏の筋肉)だと思っています
そういう意味では腰の悪い人は膝も悪く、膝の悪い人は腰も悪いという認識です
ただどちらかが痛みを発症するレベルにまで達してないから痛くないだけなんだと思います

大腿部の弱化はどちらの痛みをもよおしてもおかしくはありませんよ
いつも歩いてくださいというのはそういう目的があるからなんです

投稿: ひろ | 2012/02/01 07:46

わたしは中学生です。
わたしも膝が痛いことがあります。
寒い日で5分以上たっていて膝を曲げたときや、
走ろ時にも痛い時があります。
けれど痛くないときは全然痛くないし、違和感だけの時もあります。
これは病院に行った方がいんでしょうか??

投稿: HOT | 2012/04/06 19:30

まず申し上げたいのは病院に行ってもらいたいということです
あなたの膝に何が起こっているのかを客観的に判断するのが一番先にすべきことです
成長過程で起きる痛みもあれば、スポーツのやりすぎで起きる痛みもあります
まず原因をハッキリさせないとどうしたらいいのかもわかりません
一番悪いのは何もわからないままに悩むことです
それではいい解決策が出てこないからです

こんなときにパッと行動できる勇気と判断力を身につけてもいい年代だと思いますよ

投稿: ひろ | 2012/04/06 20:02

何度となく膝が痛くなる度に読み返しています。
隔年、今年で3度目の膝痛です。
左膝、右膝、左膝と、二年おきに水が溜まり、電気治療をし、ヒアルロン酸注射を5回して、終わります。
二月に痛くなり、五月に痛みがなくなります。
電気治療に毎日、通うのはストレスです。
筋力アップをすることのほうがはるかにノンストレスだとわかっている積りですが、痛みがなくなると、直ぐに忘れてしまいます。

ひろさんの記事を思い出した時に読んで、忘れないようにしないと。
でも、読むのは決まって膝痛が出た時なんですよ。

投稿: 金つば | 2016/04/13 09:33

いつもお読みいただきありがとうございます

ここ数年腰痛や膝痛に対して少し違う角度から見るようになりました
基本的には今までと同じなんですが
問題の本質は「抗重力」といって重力に抗い自分の体重を支える能力が落ち
それに伴い筋肉や関節内部にかかる負担が増えてきたことが原因でオーバーヒートしたと考えるようになりました

病院での様々な治療もそうですし
我々整体の施術もそうなんですが
それしかできないからやってるだけで
衰えてしまった体重を支える能力に関しては
少し的外れなことしかできないわけです
だから一時的に楽になってもまた同じことを繰り返すうちに
次第に衰えが進行し症状が悪化するというケースが多くなるわけです

膝に負担をかけず筋力アップするといえば
プールでの水中歩行が理想的だと思います
歩きすぎて余計に膝が悪くなることもありますので
その辺のことも踏まえながら何かを実行していただきたいです

いつまでも若くあっていただきたい
それが私の願いです

投稿: ひろ | 2016/04/13 10:06

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