« 出番前 | トップページ | 天空~Heaven in the KOO »

2011/06/03

恒常性と生活習慣

我々の仕事は自然治癒力に依拠します
決して主体的に「治す」という作業を行うわけではなく
あくまでも身体に対して何らかの刺激を与えることにより
それに反応した身体が治そうと思って何らかの変化がおき
それにより快方に向かうと考えています
たとえば脱臼した骨を元の位置に修復するために物理的な変化を直接加えたり、骨折して位置関係を正しい状態に戻すという作業とは根本的に種類が違います

いずれにしても我々の行う作業そのものは直接身体に作用する一次的なものではなく、その後の身体の中で起きる変化を待たなければいけません
いつも申し上げているとおり自然治癒力は恒常性(ホメオスタシス)のひとつだと考えます

さてこの恒常性ってやつのことなんですが
身体を一番いい状態にしてくれる機能のことをいうのでしょうか?
毎日人の身体を触っててそんなに都合良く働いてくれるものとは思いません
もし都合良く働いたなら我々の存在も必要ないかもしれませんが・・・
何回施術しても元の悪い状態に戻ることがあります
世間一般にはこれを「ヘタクソ」というのですが、どうも腑に落ちないのです
ある人に施して良くなった同じ方法を別の人に施しても良くならないケースなんて枚挙に暇がありません
言い訳をしようっていうんじゃありません
人によって「恒常性」の状態が違うのではないかというお話です
単に言葉遣いの問題にしたくはないのですが
恒常性は「いつもの状態に戻す力」とは考えられないでしょうか
都合良く「一番いい状態に戻してくれる力」だと考えがちですがそうではなく
単純に「普段通りの状態に戻す力」だったとしたらエライことになるかもしれないということなんです
もし生物学者の先生か、あるいはこういう問題にお詳しい方がご覧になられていたら是非私の疑問に答えていただきたいのですが・・・
たとえば老化して身体の機能が根本的に低下した状態の方が私の施術を受けて、機能が回復したとしても、普段の身体に戻そうとする力が働いたとしたらどうなるか?
簡単なことです・・・
長期的に衰えた方ならば元の木阿弥になると考えた方が私の考えに合ってくるかもしれません
逆に若い元気な方が一時的な不調で身体の機能が損なわれた場合
我々の施術を契機として恒常性が働き普段通りのいい身体に戻るということになります
さて私の立てたこの仮説ですが、世間一般の常識に合ってると思いませんか?
昔は「恒常性」ってやつが上手く作用してくれさえすればなんとかなると思っていたのですが、最近少し考え方が変わってきました
恒常性とはこちらの思惑通りにいい方向にのみ働くのではなく、好ましくない状態で常日頃から生活している人は悪い状態に戻ることさえあるかもしれない

慢性病・生活習慣病というのがあります
ご存じの通りちょっとやそっとでは治らないことは皆様もご存じでしょう
その原因がひょっとしたら恒常性にあるとすればなんとなく納得できるかもしれません
と同時に由々しき問題ともいえましょう
一度患った慢性病がすっきり治らない理由について考えざるを得ません
そしてどうすればいいのかも考えていかなければなりません

最近、一筋縄では行かないときは回数を分けて長期的に施術を重ねる必要性を感じるのです
営業上の理由ではなく、あくまでも一番いい方法を模索した上で思うのですが、外部からの力で強制的にいい状態を作りだし、なおかつそれを継続することで「いい状態」ということに対する既成事実を作り、最終的にはそのいい状態に対して恒常性が働けばいいのではないかと思うのです

元々は何度も通わせるのは自分の能力の足りなさの証拠であり、恥ずべきことだと考え、「リピーターを作る」などとおっしゃる方には批判的な発言もしてきました
そんなことさえ些細なことと思うようになりました
よりベターな仕事をするために些末なこだわりに縛られるのはナンセンスかもしれません

私の信念はさておき大切なのは恒常性をいい環境の中で発揮せしめることです
私の仕事の枠組みで考えれば身体にとっていい状態を既成事実にしてしまうという取り組みもアリだと思いますが、もっともっと重要なことがあります
それは生活習慣です
そこからまず「いい状態」に変えることなしに、外部的な力によってのみで既成事実を重ねることは考えられません
こういうセリフは昔から当たり前にいわれてたはず
私もそれはよく存じています
しかしながら恒常性というものが我々が考えているほど便利なものではないかも?
そんな疑問を感じる今日この頃です

|

« 出番前 | トップページ | 天空~Heaven in the KOO »

コメント

ひろさちやさんが「老いることができるのは人間と人間に飼われている動物だけ」ということを書いておられました。

野生の動物は少しでも弱ると立ちどころに他の動物のエサになってしまうからなんだそうです。

手技に限らず治療行為というのはだから自然の流れに逆行する行為なのかもしれませんね。

投稿: 非常勤k | 2011/06/03 10:21

なるほど!
素早く治せない者には明日を生きる機会が与えられないというのが自然界の掟なんですね
自然淘汰という言葉の重みと怖さを感じずにはいられません

投稿: ひろ | 2011/06/03 10:32

>人によって恒常性に違いがある

深い言葉です。
日頃お客さんの体を触らせてもらうのですが、やはり同じ体格や筋肉の付き方など全く同じ方はいないし、体を使う癖や生活環境も全く違います。
だから違いがあるのは至極当然かもと思ったりします。

人間は環境に適応しようとする生き物だと私は思いますので、その環境が変わらない限り恒常性は変化しないんじゃないかと。

投稿: 時雲 | 2011/06/03 12:31

恒常性そのものの能力に個人差があることは我々の仕事で日常よく気づくことです
ただ問題は恒常性により身体にとってマイナスに働くこともあるうるのではないかと考えるのです

それも生活習慣により構築されたその人の「常」だとすれば怖いことです

投稿: ひろ | 2011/06/03 12:41

こんばんわ!

今日は、難しいお話ですね。
別館の方で、新しく始まったピグライフに
夫婦揃って、はまっちゃって、PC取りあいで
やっています。(^^ゞ
肩こりが、かなり、酷くなってます(苦笑

投稿: うさうさ | 2011/06/03 22:20

ピグライフのことはまったく知りませんでした
調べたらゲームのことなんですね
お二人ともお若いです(笑

あまり根を詰めてやると肩がこりますよ(笑

投稿: ひろ | 2011/06/04 08:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47311/51815121

この記事へのトラックバック一覧です: 恒常性と生活習慣:

« 出番前 | トップページ | 天空~Heaven in the KOO »