髄液漏れ
激しい頭痛などを引き起こす脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)について、07年度発足の厚生労働省研究班(代表、嘉山孝正・国立がん研究センター理事長)が、「髄液漏れの患者の存在が確認できた」とする中間報告書をまとめた。発症は極めてまれとされていたが、報告書は「頻度は低くない」と指摘した。MRI(磁気共鳴画像化装置)などの画像の判定基準や診断の進め方についても案をまとめており、今後関係学会の了承を得たいという。治療法の基準作りや保険適用に向けて大きく前進するとみられる。報告書によると、研究班は「頭を高くしていると頭痛が始まったり、ひどくなる」患者100人を分析し、放射線科専門医がMRIなどの画像を判定。班会議を重ね、うち16人は「確実」に髄液が漏れており、17人は「疑いがある」とした。
脳脊髄液減少症は、脳と脊髄の周囲を巡る脳脊髄液が漏れ、頭痛を招く。国内では00年以降、「交通事故被害者らの中にいるのに見落とされている」との指摘が出ていたが、「あり得ない」と否定する医学関係者がほとんどで、患者は医療機関を転々としたり、補償面で置き去りにされるなどしてきた。
06年、日本脳神経外科学会の学術委員会が初めてシンポジウムのテーマに採用。学術委員会の委員長だった嘉山理事長(当時は山形大医学部長)が、医学分野の垣根を越えた診断のガイドライン作りに取り組むことを宣言した。
研究班は日本脳神経外科▽日本整形外科▽日本神経▽日本頭痛▽日本脳神経外傷▽日本脊椎(せきつい)脊髄病▽日本脊髄障害医--の各学会からの代表と、放射線医学、疫学・統計学の専門家が参加している。
脳の周囲は3枚の膜で覆われていて
脳を保護するということは解剖生理学上疑いのないところですが
それらの具体的な役割や機能についてはまだまだ未知の部分も多く
最先端の医学をもってしても論争の多いところ
3枚の膜のうち、クモ膜と軟膜の間には脳脊髄液が流れており
脳はもちろんのこと脊髄のすべての周りをこの随液が循環しているのです
脊髄は背骨全体に走行しているので頭から骨盤に至るまで
随液も流れていることになります
以前から随液が漏れることによって起こる症状については様々な研究がなされ、多くのデータが出てきました
それでも随液が関係するすべての事実が明らかになったわけでもありませんので「髄液漏れ」についても研究途上と言った方が正しいかもしれません
それでも少しずつでもデータが揃いより具体的な形で認知されようとしています
オステオパシーにも頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル・セラピー)という技法があり
頭蓋骨から仙骨まで流れる脳脊髄液の循環のリズムを整えることにより様々な機能障害を取り除くという特殊なのもです
ここで詳しい説明は差し控えますが、頭蓋仙骨療法においても髄液循環のメカニズムの不調からくる具体的な症状に対しての関連性など不明確なこともまだまだたくさんあるようです
ぶっちゃけわけがわからんとやっている部分も否定できません
今回の発表が直ちに頭蓋仙骨療法と関係するわけでもありませんが、髄液や硬膜などの謎が少しずつ解明されるということは我々が持つ疑問や未知の部分にも次第に踏み込んでいくんでしょうね
興味深く見守っていきたいですね
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コメント
私も頭痛もちですが、主人が私よりひどい頭痛持ちです。
年々ひどくなる一方なので頭痛外来へ通っています。初めてCT撮ったときに「はずれ」と出たらどうしようかと心配しましたが、特に問題もなく。
しかし、一向に良くなる気配もありません。
むしろ頻度が高くなっている感じです。
良いといわれる特効薬をもらっていますが、それも効き目がイマイチの時が多いほど。
髄液漏れだろーか???と思いながら興味深く読ませていただきました。
投稿: うどん好きのあゆ | 2011/06/11 23:36
「随液漏れ」の原因は交通事故などの外傷性のものなのでむしろ可能性は低いんじゃないでしょうか?
随液の問題を考えるなら「漏れ」より「リズム」の方がその可能性は高いと考えられます
そのほかにもいろいろな原因が考えられますので
こういう特殊なケースに飛びついて自分に当てはめない方がいいかもしれませんよ
投稿: ひろ | 2011/06/12 05:55