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2010/08/05

無意識を感じる

我々は身体を動かすときに中の構造を意識することはありません
実に自然に当たり前のように動かすのみ
筋肉がどうとか、骨がどうとか・・・
知識としてはわかっていても具体的に詳しいことを考えながら、あるいは感じながら動作をすることはありません
脳がひとつの動作を命令したならばどこの筋肉をどう使えば一番効率的か瞬時に判断しながら動くのでそれ以上本人の意識が介在するならばかえってぎこちない動きにさえなってしまいます
例えばゴルフなんかでもいいショットがでるときは案外無心でやっているときが多いようです
逆にグリップを意識して腰の回転を意識して体重移動を意識して打とうものなら余計な力が入りミスショットをする確率が高くなるばかりです
要は練習を積み重ねて身体で覚えたことが自然に出ればいいわけで
無理やり意識レベルで動作を展開してしまうと計算ミスや反応が悪くなるのが難しいところなんですね

身体を動かすときに特定の部位を意識してしまうときは
たいていその部分が悪いということになります
痛みはもちろんのこと、違和感というアピールの仕方もあります
この場合は「動かすな」という身体の中からの声でもあり
黄色信号(場合によっては赤信号)としての役割があるわけです
だから自然に身体の一部分が意識レベルに置かれるときは緊急事態ともいえるわけです

何かの動きをする場合、ひとつの筋肉だけが収縮し、ひとつの関節だけが動くという単純なものは少なく、むしろ一度に多くの筋肉が作用し複数の関節が動くことの方が多いのですが、そのとき意識することなくバランスを考えその人のそのときの状態で一番ベストな方法を瞬間にはじき出し遂行するんですね
詳しいことはわかりませんがその処理能力たるや最新のCPUさえかなわないんじゃないでしょうか?

反射弓や分泌系なんかのメカニズムにしてもすごいですもんね
現代科学でもわからないことが山ほどあるでしょうし
そんな動きや働きをサラッとふつうにやる身体ってすごいとしか言いようがありません

自分の身体のことなのに意識が追い付かないのも不思議です
たまに意識すること自体馬鹿馬鹿しくさえ思えます
うがった見方をすれば不自然になりがちな意識を排除したいのかもしれません
ともすれば意識の中には「欲」がわんさか詰まっていますからね

意識して能動的に動くよりも
受動的に無意識を感じるように努めた方がよさそうな気がします

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コメント

>無意識を感じる
>身体の一部分が意識レベルに置かれるときは緊急事態ともいえるわけです・・・

なるほど~。
考えた事もなかったです。

身体って凄いですよね~。
よくできてます。

投稿: persian | 2010/08/05 13:58

普段そういうことを考える機会もあまりないと思います
私が人の身体を触るときにはそういうことを感知するよう心がけているんですが、そうすることによっていい仕事ができるわけです

投稿: ひろ | 2010/08/05 14:12

こんにちわ!
今日は、少し、風が入って来て、幾分、
涼しいよう。
何気なくしている事も、実は、凄く、
意味があったりするのですね。
体の黄信号など、察知しないとですね。

投稿: うさうさ | 2010/08/05 15:44

こちらは37℃で相当暑いようです
ずっと室内なんでわかりませんが・・・

意外に自分の身体がどのように動いているかって気にならないんですよね
知らなくても問題ないのですが、知ってたら得することもあります

投稿: ひろ | 2010/08/05 15:47

こんばんは(*^^*)
確かに、無意識になって気づいてないこと・考えてないこと多いと思います。

身体の危険信号ですか~
最近、11時間寝れたり、疲れやすかったりおかしいです。夏バテかな??

>受動的に無意識を感じるように努めた方が。。
なるほど勉強になります♪
私も務めてみよぉ~♪

投稿: chipa | 2010/08/05 20:21

考えてないからこそ無意識であって気付いてみるとけっこういろんなことがわかってくるんです
自分の身体に聞き耳を立てれば身体の異変に気付きやすいから病気などを未然に防ぐこともできます

投稿: ひろ | 2010/08/05 20:27

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