« きょうだいなかよく | トップページ | 誤算 »

2010/07/26

推理

人の身体を触っていると必ずその人の個性を感じます
性格なんかの問題ではなく動作の問題です
人の動きにはそれぞれ身体活動上のクセがあって
それが職業によるものだと長い年月で特化した身体を構築していきます
身体に現れた他人とは違う個性的な個所を見つけ
どういう動きから身体が変化していったかを頭の中で想像してみます
そしてその動きや習慣から推察できる職業などを考えるのが楽しみのひとつです
ただ職業当てクイズに正解したからといって喜んでいるわけではありません
私の推察が正しいとき、その習慣が身体に及ぼす影響が導き出され
多くの場合症状の発生原因につながるのです
これは痛みの根本原因のひとつになることがあります
(全部がそれとは限りません)
痛い場所と悪い場所は必ずしも一致しないという考えでやっているのですが
必然的に両者が異なる場合施術の組み立ても変わらなければいけません

先日もずいぶん変わったケースがあったのですが
ふくらはぎのごく一部(特に右)にだけ強い張りを見つけました
その頑固さから昨日今日できたものじゃないことは明らか
しかも下腿三頭筋全体もしくは大部分の疲労ではなくごく限られた部分だけの張りであることからスポーツでできたものではなさそうです
そうなれば仕事でそうなった可能性が高まります
しかしそこから導き出される職業が浮かんでこないのです
相当特殊な環境で仕事をなさってるんでしょうね

ギブアップして「何のお仕事をなさってるんですか?」と尋ねると電車の車掌をなさってるんだそうです
これで謎が解けました・・・
電車に揺られてわずかな力ながらも毎日左右に揺れる身体を支えることによって特化したふくらはぎの筋肉、しかも走るなどの動作を伴わないものだからごく限られた一部分だけしか使っていないということになります

実はその方は肩から背中の痛みでやってこられたわけなんですが
おそらく下半身の疲労からバランスを崩し
胸椎から頸椎までのアンバランスが原因で痛くなったと考えて
そのプロセスを触ってみると案の定思ったところに隠れた筋拘縮があって途中から根本的な施術の組み立てを変えてみました

施術後、今後のアドバイスも含めいろいろとお話をさせていただいたのですが、世の中には多くの職業があって、私らの知らないところで身体を酷使されているんですね
ご苦労様です

|

« きょうだいなかよく | トップページ | 誤算 »

コメント

こんにちわ!
人の身体を触られていると、その人の個性を
感じられるとは、流石です。
車掌さんは、限られた一部分を使われてるとは
なるほどですね。

投稿: うさうさ | 2010/07/26 10:17

逆に言うと私が個性を感じるまでに変化した身体はプロらしい身体ということになるんでしょうね
それぞれの職業で目に見えないご苦労があるということです

投稿: ひろ | 2010/07/26 12:06

こんばんは♪
なるほど!身体のクセですか。
人それぞれ、やっぱりあるんですね。
職業柄になると尚の事。

それを触って個性を感じるとは!
さすが、プロですね♪

投稿: chipa | 2010/07/26 20:16

身体に残された痕跡から身体的特徴を割り出し
犯行推定時刻の行動を推察する
これでアリバイは崩れます(笑

推理小説マニア崩れみたいな話になりますね

投稿: ひろ | 2010/07/27 07:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 推理:

« きょうだいなかよく | トップページ | 誤算 »