三位一体
「空腹、疲労、怒り」「肥満、こわばり、感情的な支援の欠如」「運転、重いものの持ち上げ、貧弱な食事」
ヒュー・ミルンが「ザ・ハート・オブ・リスニング」で例示した腰背部痛の原因です
ここにある「くくり」にどういう意味があるのか私には理解できませんが、そんなことよりも彼がここで言っているのは痛みの原因は三位一体であるということなんです
補足も含めて説明すると人の身体にはひとつくらいのトラブルに対しては耐えうる(あるいは回避できる)能力が備わっているけど、トラブル(痛みの原因)が二つになり、三つになると対処しきれずに痛みが発生するということなのでしょう
ミルンはこう言います
「原因となる三位一体の一つの要因を見落としていると、治療はあまり効果的でなく、成果が上がらないことさえある」
施術するときに痛みの原因を探します
そのとき多くの推理小説であれば知能的なひとりの犯人がいて、彼のトリックを見破ることにより事件は解決するのですが、現実は少し様子が違うよということなのかもしれません
偶然、必然に拘わらず生じた複数の原因がひとつの部位に影響したとき身体はこらえきれずに悲鳴を上げるということのようです
つい私たちは犯人探しのとき目の前にあった出来事だけをいくつか並べて、その中から「臭い」と思う容疑者を選びます(この段階では真犯人かどうかはわからない)
状況証拠だけで推理するほうも難しいのは当然ですが、目の前の出来事だけで判断してはいけません
関係ないと思われる事象からも何か繋がりがあるかどうかの地道な作業もしなければなりません
そしてすべての事象を検証して起こった事件とのかかわり合いがあるかどうかを見極めます
事件との関わり合いの深さに差はあれど、すべての原因を繋ぎ合わせながら再び推理していかなければならない・・・
・・・と。。こういうことをミルンは言いたかったんじゃないでしょうか?
やる方にとっては単純化した方が楽なのはよくわかります
しかし複数のことが絡み合うことって世間にはいくらでもありますからね
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コメント
>人の身体にはひとつくらいのトラブルに対しては耐えうる(あるいは回避できる)能力が備わっているけど、トラブル(痛みの原因)が二つになり、三つになると対処しきれずに痛みが発生するということなのでしょう
毛利元就の「三本の矢」の故事の逆版ですね。
「三種の神器」というものもありますが、どうも1,2から3に変わる/増えるというのは、位相というか局面を大きく変化させる力があるのかもしれません。
投稿: sokyudo | 2010/06/07 13:48
「女三人寄ったら姦(かしま)しい」と歌うトリオ漫才もおられました(´,_ゝ`)プッ
そういえば「テンセグリティ」も3から始まりますし
その数字から生み出されるポーテンシ―のようなものがあるのでしょうか・・・
ピラミッドしかり、バミューダ・トライアングルしかり
何やら不可思議な力がありそうな雰囲気が漂います
投稿: ひろ | 2010/06/07 14:19