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2010/05/25

呼吸補助筋

ここのところ何年か呼吸について勉強しています
新しいことを知れば知るほど奥の深いものです
ヨガや座禅などでも呼吸はその前提条件ともいえるほど重要な役割を担います
「自ら」の「心」と書いて「息」というくらいですから
精神的なことと呼吸の関連については深いものがあります

このように呼吸でもいろいろな角度から眺めてみると面白いことがわかってきます
もちろん身体機能面からも分析してみるといろいろなことがあります
施術にフィードバックできるヒントもたくさん見つかりました

呼吸をするときには胸郭(肋骨)を広げて息を吸います
そして息を吐くときには胸郭を収縮させるのですが
その動きを司るのが呼吸筋
息を吸うときは主に横隔膜や外肋間筋を使います
(細かいことは省きますね)
そして普通に息を吐くときには自然に肺が収縮する力がメインになります

それだけで終わらないのが呼吸の奥深いところ
普通に呼吸するときは先ほどのとおりなんですが
「努力呼吸」といって安静時には使用しない筋肉を総動員させて大量に酸素を摂取するときもあります
そういったときに使われる筋肉が「呼吸補助筋」と呼ばれます
吸気には胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、上後鋸筋が使われ
呼気には内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋、下後鋸筋が使われます
これら二種類の筋肉は肋骨を引き上げて広げたり
逆に肋骨を引っ張り下げてすぼませる働きをします
いわば肋骨を中心に綱引きしているような動きの方向があるのです

だからどちらか一方が緊張状態に陥ると逆の動きの筋肉は
引っ張られた状態になりこれが長く続くと双方が筋拘縮になることもあります

私がよく見かけるのは下後鋸筋と斜角筋が同時に緊張するというケース

Photo


非常に綺麗にできた図ですが(笑
腰痛館のIT技術を遺憾なく発揮したお絵かきです

ご覧のように斜角筋は大きく息を吸うとき肋骨を上に引き上げる役割をします
それに対して下後鋸筋は下部肋骨をすぼめるように引き下げて炭酸ガスを排出するときに役立ちます
それぞれは相反する作用を持つのですが
これらがワンセットになって緊張しているケースをよく目にします
だから首の付け根に嫌なコリがあるとき
斜角筋だけをほぐしても上手くいかず
下後鋸筋をある程度緩めてから斜角筋を触ってみると
自然に半分くらいは緩んでいるものです
ただ下後鋸筋がけっこうクセ者でして
これを緩めるのがこれまた難しいんですよね
このあたりの具体的なことは企業秘密ということにしておきましょう
「ホントは知らないんだろう」という的を得たご批判はスルーいたします

これはほんの一例で呼吸は様々な筋肉が相互に働きながら
意外なところで影響しあっていることは間違いなさそうです
わからないこともたくさんあります
でもひとつひとつを解き明かしていくと
身体に起こるいろいろな不思議が明らかになるような
そんな気がします

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コメント

こんばんわ!
今日は、難しいお話ですね。
新しい事って、知れば知るほど奥の深いもの、
ほんと、そうでしょうね。
ここ数日、本を読んでいます。
瀬戸内寂聴さんの、以前も読んだものですけどね。
改めて読むと、何か違って感じたり・・・。

投稿: うさうさ | 2010/05/25 22:46

そういった本ですと読み手の考え方やその時の気持ち次第で受け取り方も変わることがありますね
何度も読んでいると奥深さをあらためて感じることもあったりします

投稿: ひろ | 2010/05/26 07:36

自らの心で、息!!なるほど~
息が合う、息(行き)詰まる、息を殺す、青息吐息、息を引き取る、、、ことわざとの関連は考えてましたが、そもそもの漢字については気がつきませんでした。
「りっしんべん」がついた漢字以外にも「心」がついてるのも今思いつきましたし!
というわけで(?)呼吸も自然にできてないのであちこちの記事を参考にさせていただいていきますです。

投稿: あかね | 2012/02/06 19:49

呼吸の問題は私の永遠のテーマになりそうな気がします
いつも受けるヨガのレッスンでも呼吸法を練習します
坐禅も呼吸が基本事項です

呼吸は自らの精神をコントロールできるツールであるという一面も持っているようです

投稿: ひろ | 2012/02/07 08:07

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