諸刃の剣
先日知人がぎっくり腰になり近くの整骨院で診てもらったそうです
そこで両足の長さが違うということからいきなり技をかけられて
その後まったく歩けなくなりタクシーで自宅まで帰ったそうです
「エライ目にあいましたわ」
電話でそう話しても一度やってしまったことは仕方ありません
ウチに来るといわれましたが安静にしておいた方がよさそうなので
「しばらくは様子を見て落ち着いたらそのときにまた電話してください」
といっておきました
この手のお話は私もひとに偉そうに言える立場でもありませんが
使った技が危険だったというよりももう少しそのひとの身体で起こっている出来事を観察すべきではなかったのではないかと思うんです
両足の長さをそろえる目的で技をかけること自体は悪くはありませんが
それ以外の事象に対して検証することなしに技をかけたことに落とし穴があったように思えます
身体の中では事実関係がひとつ変わるだけでまったく違う世界を作り出します
手技療法の技の多くは治すためのものではなく
治る機能(自然治癒能力)が正常に働くための刺激としての性格を持ちます
しかし身体に与えた刺激が適切でない場合逆に身体に対して害をなす可能性をも含んでいます
そういう失敗を避けるためにまず身体の中で何が起きているのかを分析し
どの部位からどういうやり方で施術を進めるかを決めて行わなければなりません
建前上失敗は許されません
でも失敗したときでさえ次の手が打てるような状況を作っておきたいものです
これは他人事ではなく自分のことです
我々の持つ道具(技)は助けることもできるし、壊すこともできる
そんな事実を忘れてはいけないようです
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コメント
手技という言葉を私はつい二年前に知ったばかりです。桶谷式という妊産婦の為のおっぱいマッサージを受けて、その時に知ったのです。
まさに「手」の「技」で、今までの苦痛が解消されましたが、その時に
「これは、体の本来の働きを手助けしてあげてるんやで。」と話をしてくれました。
私の場合は、その時手技だけではなく内面からのリラックスが必要との事でずっと話し相手になってくれました。
私の症状に合わせて、必要な「技」を彼女は選んでくれてたんやなぁと、記事を読んでしみじみ思いました。
投稿: うどん好きのあゆ | 2009/08/17 13:56
薬や手術が一般的になる前は手技もたくさんあったんだと思います
それぞれが身体の機能を促進する効果もあるのですが
どんなに優れた手技でも使う場面や使い方を誤るととんでもないことになるんですよね
きっとあゆさんもいい使い手に出会われたんだと思います
投稿: ひろ | 2009/08/17 14:26
素人の考えでも、痛い時に技をかけたら、良くない気がしますね。
ただでさえ痛いぎっくり腰・・・そんな時に技をかけられたくありませんね。
想像するのさえ怖いくらいです。
痛みがない時は、正しい技をかけられると歪みが治りそうで、ちょっとやってもらいたい気はしますが・・・。
投稿: persian | 2009/08/17 18:31
こんばんわ!
ぎっくり腰と聞くと、どきっとしますね。
以前なって、えらい目に合いました。
今日は、子供達とショッピングモールへ行き、
娘と3時間うろうろ・・・。
足が棒のようです(笑
投稿: うさうさ | 2009/08/17 22:42
persianさん
的確に技をかけたら多少なりともよくなることもあるんです
もちろん急性期は安静が大原則ですけど・・・
やる方も受けても治したいし治してほしいという欲求があってどうしてもやりすぎる傾向はあるのですが、そのときこそプロとしても判断が要求されるのだと思います
うさうささん
うさうささんは腰痛の常連ですからね(笑
たまにはショッピングモールでのお散歩も腰痛予防になっていいと思いますよ
投稿: ひろ | 2009/08/18 07:37