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2009/07/22

左右対称

私が日ごろ尊敬してやまない同門の戦う柔道整復師(笑)かなや先生のブログで左右対称について興味深い内容が書かれていました
人の身体は左右対称でなければならないか?
こんな命題に対して必ずしもそうではないというのがその答えだと思います

身体に何らかの症状があってそのひとつの兆候として左右非対称が存在する
こういうとき我々は「ズレてますね」という表現を用います
私がこの言葉を使う場合、少なくともそういう身体的兆候に対しての原因について考えます
つまり左右非対称を生み出した原因は何であるかを探らないと次のステップに進めない
そんなふうに思うのです
いうなれば左右非対称はひとつの目安として捉えているわけです

もし左右非対称という事実を絶対的評価としてとらえ、それ以上深い考察がなければ
教科書に載っている人体の骨格図通りにはなっても、いろんな動きを生じる現実的な生活に即した事実に適合しないことも出てきます
ひとには「利き手」というのが存在します
私の場合左利きなんですが、細かい作業をしたり大きな力を使う場合無意識に左手を使います
目にも利き目があって左右どちらかの目がメインとなりもう片方は距離感をつかむために使われます
耳にも利き耳というのがあるそうです
現実問題として左右同じものがあってもその使い道は左右で異なり
力の出具合も違えば使う頻度も違う、そうなれば能力(筋力)も左右で違ってあたりまえ
これで筋力や疲労の度合いなどが左右対称になるわけがありません
テニスプレーヤーでも利き手の長さが極端に違ったりします
それそのものが悪いと即断できないこともたくさんあるのです
もちろん度を越してはいけません
その場合痛みが生じてもおかしくはないでしょう

ただ許容範囲内で左右非対称が生じた場合にどう評価すればいいのでしょう?
紋切り型に左右対称でなければならないという立場に立つと
その状態すら罪悪と判断されかねません
だから左右対称に矯正しなければならない
こんなパターンで施術が行われる可能性があります

だから左右非対称は評価そのものではなく、評価の対象となるべきではないかと考えます
つまり身体のどこかに左右非対称があるとき、それがすなわち「悪い」と見るべきではなく、なぜそうなったか?その左右非対称に対してどういう原因が存在するのかを追及することにより自然発生的なものと限度を超えたアンバランスなものとに分類することが可能だと思うのです
さらに後者であると判断された場合、その状態を生じせしめた原因も追究してから施術手順を決定した方が合理的ではないでしょうか?

確かに紋切り型に左右非対称を原因とすればクライアントに対する説明も容易だし、術者も客観的に判断しやすいというメリットはあるでしょうが、ある意味横着な判断になりかねないデメリットもあるはずです
簡単に言うとやる方が楽だからということになります
「楽」というのは手を抜いているという意味ではなく、知識がなくても経験が乏しくても左右非対称を殊更にアピールすればなんとなくもっともらしく格好がつきやすいからじゃないでしょうか?

「左右対称」は絶対的なものではなく相対的に考えた方がよさそうです

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コメント

自然界に目を向ければ左右非対称のイキモノはたくさんいます。カニとかロブスターなんかハサミの大きさが左右で全然違いますもんね。ニンゲンだけが左右対称でなければならん、ということはないでしょうね。

投稿: かなややすひろ | 2009/07/22 11:14

なるほどね・・・
あのカニの大きなハサミは美味しそうです(笑

人間だって内臓は左右非対称ですもんね
身体器官の機能をよく考えれば左右対称でなければならないという絶対的な理由はないでしょう
解剖学の教科書を見たときの二次元的アライメントにとらわれるとそういう発想になるんだと思います

投稿: ひろ | 2009/07/22 12:08

こんにちわ!
ひろさん、左利きでしたか。
器用な方が多いと聞きます。
目にも利き目があるとは、吃驚。
耳にもですかっ!
ちょっと違う話ですが、来月で、お互い
区切りを迎えますが、私、6周年かと
思ってたのですが、5周年かと・・・。
確か、同じ年数でしたよね?

投稿: うさうさ | 2009/07/22 17:24

鉛筆とお箸は右を使う「なんちゃって左利き」です(笑

そうでした・・・ブログをはじめてまる5年になるんですね
毎年忘れてしまいます

投稿: ひろ | 2009/07/22 17:43

ひろさん

おはようございます。左右対称の記事、興味深く拝見させて頂きました。

痛み・不快等の原因は、左右対称に原因がある場合、重心が片側に偏ってしまうことが多く、見た目の歪み・動きでは観察できないことがあります。(ex 左側にからだを倒していても重重心が右に来ていることもあり、本人の感覚とずれることもあります)
歪が悪い、治そうとするのではなく、どうして、そのような状態になってしまったのか?まずは、観察・推測が必要ですね。

投稿: だるま | 2009/07/23 08:22

身体の歪みや左右非対称は重要な要素であることには違いありません
ただそこからもう一歩踏み込んだ考察をするのとしないのとでは大きな違いが生じかねません

こんなことを考え出すときりがないのですが、だからこそこの仕事の面白さと難しさがあるのだと思います

ここに書いたことは一般論にしかすぎませんが、それぞれの術者の方法論にまで議論が及ぶともっと面白そうですね

投稿: ひろ | 2009/07/23 08:44

ひろさん

>ただそこからもう一歩踏み込んだ考察をするのとしないのとでは大きな違いが生じかねません

仰る通りです・・・・・私自身、このことを治療関係者と話をするのですが、なかなか言葉で伝えるのが下手で誤解を生じることが多いです(笑)

>ここに書いたことは一般論にしかすぎませんが、それぞれの術者の方法論にまで議論が及ぶともっと面白そうですね

そうですね!面白くなりそうです。
今後も、よろしくお願いいたします!

投稿: だるま | 2009/07/23 09:54

私の真意をご理解いただいたようでありがたいです
他者を批判する目的ではなく人の心と身体に対する理解を深めていく上での基本的なことという認識なんです
もちろんここでとどまるわけでもありません
さらに深遠なことがらもあるでしょう

機会があればそういうお話をゆっくりとしてみたいですね
ワクワクします(笑

投稿: ひろ | 2009/07/23 10:19

ひろさん

おはようございます!

>機会があればそういうお話をゆっくりとしてみたいですね
ワクワクします(笑)

大阪に行ったときは、是非、伺いますのでよろしくお願いします。

投稿: だるま | 2009/07/24 07:04

いいですねぇ
事前にわかればできる限り時間の都合つけます
ぜひお立ち寄りくださいませ

投稿: ひろ | 2009/07/24 07:44

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