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2009/06/08

針小棒大

ダイエット:納豆、寒天、リンゴ、バナナ…根拠なし 空腹紛らすだけ

 納豆。寒天。リンゴ。バナナ。ゆで卵。手を替え、品を替え、登場する何々ダイエット。ごく最近はバナナダイエットがブームとなり、一時店頭からバナナが消える騒ぎもあった。何かを食べてやせるということは、ありえないと知っておきたい。

 昨年秋、テレビや雑誌などで、バナナダイエットが話題になった。うたい文句は、「朝、バナナを1~2本食べ、コップ1杯の水を飲むだけでやせられる」。昼と夜は好きなものを食べてよいという手軽さが受けた。
 バナナでやせられる理由として、(1)糖質や脂肪を分解・燃焼する酵素が豊富(2)抗酸化作用の高いポリフェノールが多く含まれ、細胞の活性化と代謝を促す(3)食欲を抑えるアミノ酸が含まれる(4)便通をよくする食物繊維が豊富--などが挙げられている。

 こうした理由は科学的に正しいのか。

 バナナ1本(100グラムと仮定)は約90キロカロリーで、小さめのおにぎり1個程度のカロリーに相当する。バナナ2本で満腹感を得て、従来の朝食に比べて、摂取カロリーを減らせばやせられる可能性はある。
 だが、バナナで朝の摂取カロリーを減らしても、昼と夜の食事で摂取エネルギーを増やせば、やせることはない。体重を減らすには消費エネルギー以下に摂取エネルギーを抑えるしかない。

 食べ物健康法の問題に詳しい高橋久仁子・群馬大教授(栄養学)は「バナナを食べてやせたというのは、今まで食べていた朝食よりカロリーが減ったからだと考えられる。バナナダイエットは、要するにバナナを食べて、空腹を紛らすというだけのこと」と話し、特定の食品を食べてやせられると思うのは幻想だと強調する。

 酵素の豊富なバナナを食べると、一緒に食べた肉類などの脂肪を速やかに分解すると言われている。

 会報などで科学的な健康情報を発信している長村洋一・鈴鹿医療科学大教授は「酵素は胃や腸でほとんど分解され、体内で脂肪の燃焼にかかわることはない」と指摘する。

 ポリフェノールは大豆や他の果物にも豊富だが、体重の減少と関係ない。

 また、バナナに含まれる食物繊維は、ジャガイモやレタスと同程度で特に高くない。「特定の機能性成分を誇大視するダイエットは要注意だ」と高橋教授は訴える。

 「食欲を抑える効果のあるリジンやアルギニンなどのアミノ酸が豊富」という言い方はどうか。実は肉や魚にはバナナよりも多くのリジンが含まれる。この説だと肉や魚を食べても、食欲が抑制されることになる。

 「バナナにわずかながらリジンなどのアミノ酸が含まれている。しかし、そうしたアミノ酸が食欲を抑制させることはない」と味の素アミノサイエンス研究所の担当者は話す。

 雑誌の特集やネットなどでは「バナナを食べたら、やせた」という体験談が登場し、それを支持する専門家の発言も添えられている。最近は、バナナと同じ言い方でキウイのダイエット本まで出てきた。

 長村教授は「個人の体験談や一専門家の見解は、科学的な確かさのレベルは非常に低い場合が多いのでだまされないようにしたい」と市民の側にも冷静な目が必要だと説く。

 また、中谷内一也・同志社大教授(心理学)は「健康情報が多すぎるために、単純で分かりやすい情報に飛びつく側面がある」と分析したうえで、「そもそもダイエットはそんなに簡単に成功するものではないことを知っておくことが大切」と呼びかけている。
(毎日新聞)

まあこの手の話はいつの時代にもあるようです
結局、わずかでも効果があるならばことさらに強調して情報として流すのが手法のようです
押し売りがわずかに開いた扉に安全靴を押し込んで無理やり入っていくというやり方に類似した感じもします(笑
しかも心理学でいう「葛藤」の「接近-回避型」のパターンにつけこんだ巧妙な手口に思えて仕方ありません
簡単に言うと「フグは食いたし命は惜しし」といった魅力はあるけれどリスクもあるような状況で、これらが両立する解決法があれば人はたやすく飛びつくわけです

常識的に考えれば食べれば太ります
でも食べたいという欲求は捨てられません
だから食べて痩せることができればこんなにいい方法はないわけです
しかも1ぐらいの効果を10ほどあるかのように宣伝すれば多くのひとは興味を持つことでしょう
バナナに限ったことではありません
「脂肪を分解する」というキャッチコピーでダイエット効果があるような印象を与え売られている商品は少なくないと思います
何人が服用して一ヶ月続けて何kg体重が減った人が何パーセントいた
こんなデータをきちんと提示していただければいいのですが
たいていのCMではイメージをアピールするにとどまります

「食べて痩せる」ことはある意味例外的というか常識的ではありません
ならば原則はというと・・・
食べる量を減らすか、運動量を増やすことが常識だと思うのですが・・・

あふれる情報を目にするとどちらが常識なのか私にもわからなくなるときがあります

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コメント

はじめまして、ラジオ番組で学校の先生が徒競走で早く走れるようになるには股関節の前後の振りを大きくしてやるといいと言っていました。そこて股関節の動きについて調べていて、こちらにたどり着きました。
納得納得の記事が一杯で感激しているところです。
ダイエットって結局入る量と出る量のバランスだと誰でもわかることだと思うんですけど、だって終戦直後の日本には太った人いませんでしたよね。
これからも読ませていただきます

投稿: マーガレット | 2009/06/08 08:39

はじめまして

股関節といえば昔、股関節を柔らかくして痩せるというダイエットも聞いたことがあります(笑
股関節の柔軟性はとても大事なことで私も多くの方にストレッチをお勧めしていますが
痩せる効果までは言うつもりはありません
「痩せる」という言葉だけで多くの女性は興味を持つし
いつしか商売用の謳い文句として常用されるようになりました
新聞のテレビ欄で「ダイエット」「痩せる」という言葉を使うと視聴率が数%あがるとか・・・
情報を流す方は本当に痩せることよりも自分たちの利益を優先しているのがミエミエです

だから当たり前のことがわからなくなる人が増えたんでしょう

またコメントをお寄せください

投稿: ひろ | 2009/06/08 08:55

こんばんわ!
ダイエットのお話、出ましたね。
10年以上前、確か、りんごがありましたね。
最近では、バナナ。
どう言う訳か、私はこれを食べて痩せると言う
ダイエットは、した事がないんですよ。
食べる量を減らすか、運動量を増やす事ですね。
o(*^▽^*)oあはっ♪どちらも出来そうもない。

投稿: うさうさ | 2009/06/08 22:35

バナナダイエット、流行りましたね。一時期バナナの在庫がなくなったことも。。。
私もこの手のダイエットには飛びついたことはありません。
ダイエット成功には摂取カロリーを減らすことが先決であると数々の体験から(涙)知っているからです。
あと、やはり運動もしなきゃダメなんでしょうなあ。
若い頃は摂取カロリーを減らしただけで痩せましたが、今ではそれだけでは痩せない身体になってしまいました。_| ̄|○

投稿: coply | 2009/06/09 00:16

うさうささん

そういえば私も前にニンジンとリンゴのジュースで7kg痩せました
もちろんそのときもジュースだけではなく運動も取り入れカロリー制限もしての話です
後にジュースだけ続けたらたちまち元に戻りました(笑
 
 
coplyさん

学習能力のある方なら何度か試して、特定の食品でのダイエットだけでやせないという事実を覚えます

体脂肪が増えるのも身体にその必要性があるからだと思っています
その理由がわかればそれにあった方法を見つけることができるんだと思います

投稿: ひろ | 2009/06/09 08:18

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