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2009/02/26

筋筋膜リリース

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筋筋膜リリース・マニュアル

「筋・筋膜リリース」という技法があります
英語でいうと「Myofascial Release」といいます
「myo」が筋肉で「fascia」が筋膜、そして「release」が解放する
だから「筋肉と筋膜の解放」という意味になります
「解放」という言葉を平べったくいうと「ほぐす」というような意味になりますので
「こった筋肉や筋膜をほぐす」といえばなんとなくご理解いただけるかもしれません
得てして業界で使われる言葉は格好をつけるために難しくする傾向があるようです(笑

さて「こった筋肉をほぐす」といえば、その雰囲気はわかるでしょうが
「筋膜をほぐす」といっても何のことか理解できませんね
「筋膜」というのは筋肉を包む膜のことを言うのですが
筋膜には一本の筋肉を包むものもあれば、いくつかの単位をまとめて包むものもあります
体内で隣接する筋肉が独自に異なる動きをしたとき擦れあうことによる摩擦を回避する機能があったり、まとまった単位においては効率的に緊張することに関与したりします

「筋膜の緊張」といえば女性のストッキングをイメージしていただけるとわかりやすいのですが、一箇所に引き連れが出るとまったく無関係な場所にまで伝線が及びます
これと同様筋膜が緊張すると当該部位だけではなくその筋膜の走行に対して緊張が伝わります
これが関連した筋肉を容易に緊張させるシステムとなるわけですが
しかし一方「緊張と弛緩」のコントロールができない状態になると筋肉に異常な緊張が発生します
身に覚えのないところに痛みが発生するのにはこういうことが影響している場合もあります

だからほぐしておかなければならないのは「筋肉」だけじゃなしに「筋膜」も解放してやる必要があるわけです
筋膜はいくつかの筋肉を包括的に包むわけですから思わぬところに原因が潜んでいます
本人が感じているそれとまったく別の原因だってありうるわけです

冒頭に紹介した「筋筋膜リリース・マニュアル」
ここには主にストレッチによる手法が多く紹介されています
また一部、クラニオ・ワークの技法も筋筋膜リリースのひとつのパターンとして紹介されていますが、ここらも面白いところです
いずれご紹介しますがクラニオ関係の本を読めばそれ以外の技法もクラニオ・ワークの一部として説明されていますし、カウンターストレインの本を読めばクラニオ・ワークも自らの技法の一形態として紹介されています
こういう「俺が俺が・・・」って感じ嫌いじゃありませんよ(笑
みんな自分が一番だといいたいのでしょう(^w^) ぶぶぶ・・・

しかしここで注目すべきは単なるストレッチの技法を習得することではなく
筋膜リリースはひとつの目的であって手段じゃないこと
「筋筋膜治療法は一連のテクニックというよりも、むしろケアの哲学を表すものとして理解されるべきである」という記述がありますがまったく同感です
だから筋膜リリースの手段としてクラニオを使ってもいいだろうし
クラニオの手段として筋膜リリースの技法を使うのもアリだと思います

ただこの本で残念なのは従来の「筋肉をほぐす」という世界から前進して「関連した筋膜を解放する」という視点に立っているにもかかわらず、肝心の筋膜の関連性に対する記述が一般論にとどまっているのがちょっと物足らない感じが残ります
まあ、具体的な筋膜の関連性は別の本に書いてあったんですけど、それも私的にはやや消化不良の感が無きにしも非ずといったところです
きっと機能的に解明されていないことも多いんでしょうね

いずれにしても筋膜リリースの手法は探してみたらいくらでも見つかりそうです
どの筋膜をどの手法で解放してもいいわけですからね

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コメント

筋膜ですか、初めて聞きました。
ストレッチは、運動の前後には自分でしますが、運動をしないとストレッチも全くしません。
今通っている整骨院では、ストレッチをしてくれます。
首のストレッチがとっても気持ちいいんです。
一昨日は、初めて腰のストレッチをしてもらいました。
ぎっくり腰になるまで、腰で整骨院にかかった事はありませんでしたからね。
まだ痛みがあるからか、首のように気持ちいいというよりは、ちょっと怖かったですね・・・。
今日も首と腰で、帰りに整骨院寄って来ます。

投稿: persian | 2009/02/26 08:10

お肉の塊にはうっすらとした膜が張っているんですがそれが筋膜です
筋肉がこる以外にも筋膜の緊張が大きな影響を与えるようです

ストレッチでも筋肉そのものに効かすのと、筋膜ストレッチというのがあります
persianさんのぎっくり腰が長期に及ぶのも単なる筋拘縮だけじゃないからかもしれません

投稿: ひろ | 2009/02/26 08:27

>女性のストッキングをイメージしていただけるとわかりやすいのですが

実にたとえがわかりやすくていいですね。(笑)

筋膜、うんたらかんたらっていわれても聞いた事ない言葉だと

ぴんときませんものね

うどん用語だとなるになるでしょうかね(笑)

投稿: みさりん♪ | 2009/02/26 12:14

そんな言葉知らない人のほうが多いでしょうからね
身体の痛みって意外と伝線からくるものってあるみたいなんです
引っ掛けた場所と繊維が切れた場所が同一ではないって感じで・・・

でもプロのうどん用語は難しくて私にもわかりません

投稿: ひろ | 2009/02/26 12:29

金脈と金運を、ワシにリリースしとくんなはれ
ナンやったら、現金でもよろしいデェ

投稿: ひろん | 2009/02/26 18:09

今の学校に行くまで、筋膜のつっぱりなど考えたことも
無かったです(>_<)
去年、三年目にしてやっとフーレ以外の手法に興味を持つ
ことが出来ました(@_@)
カラダの中で、無駄なものや意味の無い部位など有りませんものね(ー_ー)!!
それにしても、覚えなきゃならないことが多いです~(/_;)

投稿: てるてるぼーず | 2009/02/26 22:37

ひろんさん

貧乏神と疫病神が降臨したゴッドハンドでなんとかしてしんぜよう
 
 
てるてるばーずさん

ひとつの手技療法でもいろんなところにいろんな影響を及ぼすようです
もちろん良くも悪くもという面はありますが・・・
けっこう掘り下げてみると面白い事実がわかることもあります

投稿: ひろ | 2009/02/27 07:55

僕も,大分前に買ったのですが,今回の記事を読んで懐かしくなり,本棚の奥から引っ張りだしてきました。

先生もおっしゃっていた通り,テクニック以前の,まず心理から入っていく構成は,当時でもとても新鮮だった事を思い出します。

真のリラックスは,お客さんの心の状態を無視しては,得られないものなんですね☆

投稿: ヒヨッコです | 2009/02/28 12:36

私もあるきっかけでもう一度読み返してみたくなりました
技法の奥に存在する原理原則はいろいろなことに応用できると思います

我々のアプローチの多くは副交感神経に対するアプローチになります
だから心理面を無視してはいかなる技法を用いてもいい結果には到達しないでしょうね

投稿: ひろ | 2009/02/28 14:33

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