「氣」の威力
力の入れ方は難しいものです
「全力を尽くす」これはこれでいいことなんですが
あらん限りの力を振り絞ればいい結果が出るかといえば、必ずしもそうとは限りません
逆に力みすぎて自分自身のパワーにブレーキをかける結果となることもあります
「過ぎたるは及ばざるが如し」っていいますが
力の入れ方の加減というのは実に難しいものです
「いい加減」という言葉が好きなんですが
気持ちがマイナス方向の「いい加減」ではいけませんが
積極的な気持ちでの「いい加減」こそが一番いい結果をもたらすのではないかと思います
合気道の達人である著者が王貞治や千代の富士(現・九重親方)ら
スポーツ界の有名人に伝授した「氣」の奥義を解説しています
気功などでいう「氣」とは違うと筆者は書いていますが
元々著者の藤平光一さんは以前ご紹介した中村天風さんの教えを受けておられ
いわば師弟関係にあるようですからインド哲学やヨーガの要素もあると思われます
だから天風氏同様、宇宙のエネルギーとしての「氣」の説明も当然かもしれません
この本で全般を通じて書かれているのは「力の抜き方」
リラックスして自然体でいるほうがより大きな力が出るということをおっしゃっています
力んで行う動作と比較したときの実験はなかなか説得力があります
スポーツに限らず一流のプロのやる仕事には不要な力が見られず
流れるような綺麗な動きです
決して力んではいません
じっと立っているときでも力を抜いてリラックスした方がバランスもよくいい姿勢になるのに、意外と余計な力が入って姿勢が悪くなり、それを長時間続けることによっていらない疲労もで抱え込んでいるひとが多いようです
しかもその人たちは悪い姿勢が楽だと勘違いしているから
悪い姿勢が習慣づいてしまっているようです
余談ですが、私が本当に力を抜いた立ち方を教えてあげると
たいていの方は「こちらの方が絶対楽!!」だと言われます
ただ問題なのは力の抜き方がわからないだけなんですね
これには身体の問題もあれば、心の問題もあるんだろうなと思います
たぶんみなさんそれぞれ一生懸命に毎日を過ごしてらっしゃると思います
適当に、お気楽に、面白おかしく生きておられる方はそんなにいないと思ってます
いい結果を求められる、そんな生活の中で力まずに過ごしておられる方って少ないでしょうね
精神世界における「氣」とういものの大切さもわかりやすく書かれています
そこから身体の適切な使い方が具体的で興味深く読めました
哲学的というか高尚なところもありますが
全般的に興味本位でも読める要素もたくさんありますので
そういう意味では読みやすい本です
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コメント
こんにちわ!
力の入れ方の加減って、難しいものなのですね。
>「いい加減」という言葉が好きなんですが・・
いい、加減。と読むと、全然違った意味に(笑
うちの旦那さんも、「いい加減」好きだと思います。
投稿: うさうさ | 2009/02/20 11:33
「いい加減」とか「適当」というのは本当はプラスイメージの言葉なんだと思います
ただ「全力」からすると物足りない感じなんでしょうね
「全力」も下手にやると怪我をしたり失敗したりするケースもあります
投稿: ひろ | 2009/02/20 12:00
おー!
また欲しい本が増えました・・・
野口晴哉先生が、自分の弟子に、
「力が抜けるようになるまでは、必死でやらんと
駄目じゃ!」
とか書いていたのを思い出しました。
僕も、いい加減って言葉は好きなのですが・・・
なお日々修練ですね
投稿: ヒヨっこです | 2009/02/22 00:30
手を抜くことはできても、力を抜くことは容易ではありません
脱力状態は真に集中しているからこそできる
この本を読んで感じました
でもなかなかできません(笑
投稿: ひろ | 2009/02/22 07:46