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2008/12/27

ヒーリング・バックペイン

この業界ではいろいろ有名な療法があるようです
ジャンルの違いを超えて多くの情報を収集したいのは自然なこと
オステオパシーをやっているからといってその他の療法の本は読まないかというとそうではありません
私だって幅広いジャンルから情報を得て何かヒントを見つけたいという気持ちはあります

Photo_2
サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療

以前から読もう読もうと思っていてようやく読むことができました
ニューヨーク大学のサーノ博士が提唱する「TMS(緊張性筋炎症候群)理論」
簡単に言うと痛みの理由を心理的要素に求めた理論です
痛みを身体の損傷、簡単に言うと怪我に求めようとする従来の医学的常識と逆の考え方になるわけです

臨床家なら誰でも心理的な要素が影響することは感じているはずです
ところが従来の医学的見地からするとそれを肯定することに対して積極的ではありません
物理的な身体の欠損を原因にしないと収まらない風潮も未だにあるようです

TMSとは心理的な抑圧が爆発しそうになり、それに対する「防衛」として痛みが発生する
そのメカニズムは自律神経を介在して酸欠状態にし
当該部位に痛みを生じせしめるということだそうです

以前「EBMとNBM」の記事を書きましたが
Narrative(ナラティブ)「物語」 対話を通じての治療という概念を取り入れた治療法ともいえるようです
そういう点では従来の治療法に欠けていた要素も充たされると思います

ただこの本の説明によるとどうも従来の治療法に対して否定的な立場であることがうかがえます
従来医学の立場から見るとTMS理論は「プラシーボ効果」だと批判もあるようです
プラシーボとは治療上価値のないことで良い結果をもたらす治療法のことで
『気のせい』で治すというやり方と説明しておきますが
サーノ博士は逆に自らの理論を正当化し、逆説的に従来の物理的な治療法をプラシーボだと批判されています
まあ、気持ちもわからんではありませんが・・・(笑

相互に補完するのが理想であって痛みの原因をすべて(ほとんど)心理的な要素に求める必要はないと思います
また一元的に痛みの理由を決める必要もないように感じられます
身体面、心理面と多元的にかつ統合的に考えたほうが博士の考え方にも適合しそうな気もするのですが・・・
博士が言われるとおり心と身体はひとつのものであるならば身体からのアプローチによっても心理面に影響が与えられると思ったりもします

納得することも多いだけに極端に走るのがやや残念な気もします
それでも私的には肯定的に読ませていただきました
今度は「腰痛は<怒り>である」も読んでみたいですね
何せアマゾンでは恐ろしく評判がいいようですからね(^◇^)

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コメント

お久しぶりのコメントです。
今年もありがとうございました。
今年はこれにてドロンいたします。
腰痛、温めたらなんとか最近は調子がいいみたいです。
これもひろ先生の助言のおかげ。。。
すごいですね、リモコン式な施術です!

ではよいお年をお迎えください。

投稿: コングBA | 2008/12/27 12:24

これから忙しい時期ですからね
無理しない程度でがんばってください

よいお年を・・・

投稿: ひろ | 2008/12/27 12:27

こんばんわ!
腰痛・肩こりの原因と治療って聞いたら
興味湧きますよ。私も(笑
腰痛は怒りである・・・(・_・D フムフム
アマゾンで大人気なのですか。

投稿: うさうさ | 2008/12/27 22:44

一般の方でも興味をもたれるのだから、我々だったらなおさらのことです
アマゾンで絶賛されているのは多少の疑惑つきですけど・・・(笑

投稿: ひろ | 2008/12/28 07:33

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