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2008/02/26

内臓感覚

「整体」ときけば骨格矯正をするところ
あるいは筋肉をほぐすところ
そういうイメージを持たれている方も多いでしょう
実際そういう内容の仕事が主なのですが
この仕事をしていると内蔵の不調からくる症状に行き当たることもしばしばあります

月経時の腰痛、腎機能の低下によるむくみ、時には癌が原因の腰痛もありました
もちろん私の力ではどうしようもない事例もたくさんありましたが
内臓が症状にかかわるケースは直接的にあるいは間接的にかなりの頻度で見られます
とりわけ私が見る限り多いのは腸の不調が症状にかかわることが多いのです

Photo
内臓感覚-脳と腸の不思議な関係 福土 審

過敏性腸症候群を研究されている筆者が腸と脳の相関について詳しく書かれています
専門家でない私にとっては難しい学術論文を読んでいるようでしたが
多くの臨床データをもとに興味深い内容になっています

腸は脳の下部組織ではなく腸からいろいろな組織が発生し
最後に脳ができたというのはなるほど納得です
ミミズだって脳はありませんが腸はありますしね
一方的に脳から指令を送るのではなく
むしろ腸から脳に情報伝達する神経の方が多いというのは目からうろこです

シックス・センス(第六感)は腸が感じる感覚で
説明がつきにくいのは内臓感覚だからであるというくだりは読んでいても面白かったです
「むかつく」「腹が黒い」「はらわたが煮え返る」など消化器官を使って感情や情動を表す言葉が日本語にあります
英語でも「gut(消化器官)」が複数になると「guts(根性)」
bring a person's guts into his mouth〈人を〉ぎくりとさせる
なんて表現もあるようです
これらも昔から腸が感情に関係することを示唆するものではないでしょうか?

脳だけが感情を持つのではなく腸もまた感情を持っているそうです
私もサラリーマンをしていたころ
いつもの時間のいつもの電車に乗るとトイレに行きたくなった時期がありました

この本に書かれていることは腸の話だけにとどまりません
「咳が出たら咳止め、熱が出たら熱さまし、便秘になったら下剤、下痢になったら下痢止め」というのは最低の医療である
必ず「この人はなぜ、その症状を示すのか」をしっかり考えてから、患者の病態生理に沿った医療をせよ

このように述べられております
素晴らしい考え方は私にとっても教訓となりました

腸は何かを敏感に感じる臓器
このことは私の仕事のアプローチにも影響を与えてくれそうです

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コメント

>シックス・センス(第六感)は腸が感じる感覚で

興味深いお話ですね。

初対面の人で快く感じる人となんかうさんくさいと感じる人

は腸様が感じているのですね。

もっと第六感を働かすには、腸を健康にしないといけないと

いう事ですね。

テレビに出ているスピリチュアルの江原さんはどこで感じる

のでしょうね。あれだけのボリュームで腸が元気なのか謎で

す(笑)きっと違う感覚で見ていらっしゃるのでしようね。

(^^;


投稿: みさ♪ | 2008/02/26 10:19

腸の感じる能力はすごいみたいです
江原某さんは腸よりも内臓脂肪のほうが多いようです(笑

投稿: ひろ | 2008/02/26 10:38

はじめまして
内臓感覚と第六感に関することをぐぐってみたら、たまたまこのブログを見つけて読んでいます。

自分もこの「内臓感覚」は読みました。

ていうか、再読をしようとして探しているところだったりします。

内臓感覚が「シックスセンス」であるかどうかは異論があるにしても「バロスタットを使って腸を内部から圧迫すると、その刺激が脳に伝わる」というお話は、東洋に古くから伝わる「臍下丹田」に通じるものがありますね。

それと、興味があるようでしたら、能楽師の安田登さんが書いた「あわいの力」という本を読んでみてください。

安田さんは、ロルフィングの施術者であるロルファーでもあり、その視点から「能楽師が高齢でも舞台を勤めることができるのは長年の修行の結果として、インナーマッスルが鍛えられているからだ」という趣旨の本を数冊出版しています。

この「あわいの力」では、人間が潜在的に持っている力を「こちら側と向こう側をつなぐ能力(あわいの力)」と捉え、その本質が「内臓感覚ではないか」という考察をしています。

特に、現代はストレス社会でもあり、日本では年間3万人近くが自殺をしているという現実がありますが、それが「脳の発達や言語の修得とともに、心が生まれ、その心のコントロールができないまま、心に振り回される結果として、ストレスに押しつぶされる人が増えているのではないか」。

こう述べられています。

そして、「その心の問題を乗り越えるための方法としてあわいの力を取り戻すべきではないか」。
こう、安田さんは、この本の中で述べているわけです。

あと、安田さんは「ブロードマッスル活性術」という本も執筆されていますが、お読みでなければこちらも読んでみて下さい。

投稿: 我無駄無 | 2014/01/20 01:43

ありがとうございます

安田登さんの書かれたものはいくつか拝読したことがありますが
「あわいの力」などは知りませんでした
一度読んでみることにします

投稿: ひろ | 2014/01/20 04:55

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