朝目覚めて動いているとほんのわずかながら股関節に違和感を感じました
ふつうなら気づかない程度の引っかかりで
痛みもなければ、動きになんら支障がありません
「あ。。骨盤が錆び付いてるわ・・・」
そう思って出勤時に歩いてみると
左右の歩幅が違い、右足が前に出にくい状態で
右足のつま先がやや外を向いていました
私の骨盤は鉄でできているわけではありませんので
本当に錆び付いているわけではありません
俗に言う「骨盤がズレている」状態なんです

骨盤とは仙骨と寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)から成り立ちます
自由な骨盤ですと仙骨と腸骨の結合部分「仙腸関節」がほんのわずかですけど動きます
「ローリング」といって歩くときに仙骨を中心にして回転するような動きを見せ
地面から伝わる衝撃を吸収し、スムースな動きができます
「骨盤がズレる」というのは仙腸関節の可動域が減少しニュートラルの位置が
本来ある場所から少しズレてしまうことをいいます
少し大股で歩いてみるとよくわかるのですが
微妙にギクシャクした動きになり
股関節付近に張りを感じます
この原因としては疲労や老化現象により
骨盤から大腿骨に付着する筋肉が拘縮を起こし
それにより(主に)腸骨があらぬ方向に引っ張られ自由な動きを阻害されます
この段階であるとたいした実害はないのですが
その状態が長期間にわたると慢性化し腰椎部分に過度のストレスを与え
いずれ近い将来腰痛へと導いてくれます
いずれにしても構造的にアンバランスな状態は特定の筋肉に対して負担がかかり
何らかの痛みが出ることが多いのですが
初期段階においてはよほど関心を持って注意していないと
気づくこともなく痛みが出だしてから慌てるケースが多いので厄介なものです
一番賢い対処法は痛みが生じる前に気づき、自己治療で治してしまうことです
仕事柄そういうことに普段から関心があるのは当たり前のことですが
いくつかのポイントを知っていればふつうの方でも今の状態を知ることができます
まず歩くときに少しだけ大股で歩いてみます(いつもよりも10cm程度)
そのときに左右の歩幅が違っていたり、股関節に張りを感じたら要注意です
また前に出したつま先がどちらか一方外側を向いていたら
すでに骨盤がズレている可能性が大です
「少し大股で歩く」「つま先をまっすぐ前に出す」
この二つがキーポイントになるのですが
こういう歩き方をして痛みを感じなければまだ軽症なので
20~30分程度歩いていただきます
後半で股関節の違和感が減少していたり
自然につま先がまっすぐ前を向いて出るようになっていたら
だんだん治ってきている証拠です
この歩き方により拘縮している筋肉は収縮とストレッチの両方が交互にかかり
ポンプ作用によって血液の循環がよくなり、疲労物質が減少するのです
軽い運動でも1000歩あるけば1000回の運動をすることになり
徐々にではありますが効果は出るはずです
もちろん程度の差により一日一回やっただけで治ってしまう人もいれば
毎日続けないと治らない人もいます
とりわけ若い元気な方のほうが早く治ってしまうというのが現実的には多いのですが・・・
先日もある知人の立っている姿勢を見て
「かなりひどい状態になっているなぁ」と思い
歩き方のアドバイスをしました
幸いにも若い方だったので1~2ヶ月程度、それを意識して歩いていただければ
そのうちに是正されると思ったので施術の必要性は感じませんでしたが
そのまま放置しておくといずれ腰痛が出るのは間違いなかったと思います
いつも言っていますけど・・・
「自分の身体は自分で治す」
これが基本だと思います
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