力を抜くこと
「はい。。今から矯正しますから力を抜いてくださいね」
カウンターストレインをかけるときには声をかけます
ところが「今から矯正をする」と聞くとたちまち身構えて力が入ってしまいます
もちろん本人さんは力を抜こうと必死になるのですが
普通、必死になるときは何かの動作を行うときですから
余計に力が入ってしまうのも当然のことです
人は潜在意識の中で自分の身を守ろうとします
防衛本能ってやつでしょうか・・・
防衛本能があるからこそとっさの危険を回避することもできるわけです
それゆえその人にとって不測の事態が起きたとき自然と身体は緊張します
たまたま私が行おうとする技が脱力状態でしないと効果がないだけの話であって
身体にとってはそんなことは「知らんがなぁ~」って感じになります
ましてや「今から矯正をかけます」なんて緊張感を煽るようなことを言うから余計緊張してしまうのです
最近は「ゆ~~っくり身体を動かしますんで、ぼちぼち気楽ぅ~にしといてください」
こういうとき大阪弁は助かります
気の抜けた言い回しで油断をさせておいて技をかけたりします(笑
もちろん施術そのものは痛くも痒くもないのでそんなに力もはいるはずもありません
ひとは痛みや苦しみがあるときには自然と力が入ってしまいます
痛くない状態に身体を固定しておかないと
不用意に力を抜いて激痛に見舞われるからです
ところがその緊張状態も数日程度であればさほど問題ないのですが
何ヶ月もの長期間にわたると大変なことになります
一定の筋肉に緊張状態が続くと当然疲労します
患部を守るために周辺部位を緊張させ続けると
今度は周辺部位の緊張が元々の患部の痛みを増幅させることもあります
また違う部位に痛みが生じることも少なくありません
気がついたらあちこちに痛みが走り
どこが悪かったのかわからなくなることもあるようです
こうなると一筋縄ではいきません
こうなると精神的にも追い詰められ
段々と自分自身や周りの環境が許せなくなってしまうこともあり
心理面から状態を悪化させ泥沼にはまったような感じになる方もおられます
周りの方からも「気楽にね」「リラックスして」と励ましの言葉をもらっても
心の中では「ひとの痛みも気持ちも知らないくせに・・・」こんなふうに思ってしまいます
痛いのに、苦しいのにリラックスなんてできるはずもありません
痛くないからこそ言える励ましのセリフじゃないでしょうか・・・
むしろしっかりした現状分析をして
何が悪くて何がいい事なのかをはっきりさせて
強い気持ちでいいことを続けて、悪くしている原因を排除する意志を持つことだと思います
現状分析をきちんとするということは大切なことだと思います
誰でも早く治りたいから、つい治癒に要する時間を無視してしまう傾向が出ます
自分がした努力に対してすぐに結果を求めてしまうと焦りにもつながります
焦ると今までしてきた努力に対して不信感が芽生えます
そのたびに方針変更していたらいつまでたっても同じことを繰り返すかもしれません
心も身体も適切な「力の入れ方と力の抜き方」ができることが必須なのかもしれません
必要なポイントだけは強い意志をもって
あとのことはあえて気にしないようにする・・・
難しいのは重々承知でこんな話をするのですが
どんな施術をするかよりも
どういう意識で施術や治療を進めていくかのほうが大切な場合もあります
これを読んでピンと来た方・・・
もう一度大切なことを思い出してくださいね
そう。。あなたへのメッセージなんですから・・・
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コメント
おはようございます!
今日は、早いでしょ(笑
力を抜くこと、日頃の生活の中でも
大切ですね。
入れっぱなしでは、疲れます。
投稿: うさうさ | 2007/07/09 08:44
おはようございます
私のように気楽に生活していると楽なモンです(笑
投稿: ひろ | 2007/07/09 08:50
ハイ!紛れも無く「ピント喜多方」…もとい、「ピンと来た方」です(寒っ!笑)!
鍼灸の先生にも似たことを言われました…。
特に会社を休み始めた直後、どうにも胃腸系の
症状ながら、貧血や高血圧の人に似た症状とも
とれるな…等と思っていたら、頚椎、後頭部の
指圧で快方に向かったことがありました。
曰く「知らず知らずのうちに『不安感』で、背
中から首、後頭部が緊張している」可能性があ
るとのこと。
今後も「攻めの姿勢」を忘れず、且つ定期的に
「深呼吸」などで力みを取ってリハビリに励み
たいと思います。ありがとうございました!!
投稿: あっけ | 2007/07/09 11:04
やはり「ピンときた方」のお一人でしたか・・・
きちんと現状を認識しつつ
強い気持ちで、あせらずにリハビリをされることを期待します
やることをやっても思惑通りに治ることはまれです
結果を求めるあまり不信感や不安が芽生えることも少なくありません
それが治癒の妨げになることもありますから・・・
投稿: ひろ | 2007/07/09 11:19
ひろ先生!お久しぶりです(^-^)/ハイっ!
勿論私もピンと来た方です!ってかドンピシャ!かも知れません・・・
投稿: シャッチー | 2007/07/09 20:07
え?どっか悪いんですか?。。シャッチーさん
投稿: ひろ | 2007/07/10 07:34
ハイ!相も変わらずカシラと根性の方が・・・・
患者さんへのお話だったんですね、施術者の意識の方かと・・読解力が・・ですね!
どうにもやっぱり、カシラが悪い様で・・(泣
投稿: シャッチー | 2007/07/10 16:09
それなら私と一緒だ・・・(´-`)
投稿: ひろ | 2007/07/10 16:14
いろいろ・・・ピンときました。
が、どうしたものやら わかんない。です^^)
投稿: teru | 2007/07/11 14:47
「この顔にピンときたら110番」ですが
この話にピンときたら焦らず時間をかけて治しましょう・・・
ということですね
投稿: ひろ | 2007/07/11 17:07